そうした靖国の本質に無自覚なまま多くの政治家が「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」などといって徒党を組んで靖国に参拝し、メディアでも本質的な批判はほとんどなされていない。
しかし、こうした“軍国主義の象徴”“戦争のための施設”であるという本質を見抜いたうえで靖国にNOを突きつけた人物がいる。
モデルで女優の水原希子だ。
本サイトでも報じたが、水原は先月、中国のネット上で「水原が靖国神社に参拝している写真」「水原が旭日旗を背景にポーズをとっている写真」が出回っているとして、「右翼だ」「侵略戦争を肯定している」なる批判が殺到。また、天安門に向けて中指を立てている中国の現代美術家の写真作品に対し、水原が過去に写真投稿SNS・インスタグラムで「いいね!」をつけたことも槍玉にあげられ、炎上事件に発展したため謝罪したことが大きな話題となった。さらに中国に謝罪したということで、今度は日本のネトウヨから攻撃されるという事態に陥った。
しかしネトウヨが非難するように、水原は中国に尻尾をふったわけでも、許してと懇願したわけでもない。ただ中国の顔色を伺って靖国に行ったことを隠したわけでもない。
謝罪動画は中国のファンに向けて英語で語りかけたものだったが、水原は靖国問題について、こう切り出した。
「まず第一に、私は世界平和を支持し、戦争に断固反対するものです」
水原はこう語ってから、彼女が靖国神社に参拝しているとされる写真を取り出し、「写っているのは絶対に私ではない」と否定した。つまり、彼女は中国に対する配慮ではなく、戦争に断固反対しているから軍国主義の象徴である靖国神社参拝に行くはずがない、と堂々と表明していたのだ。
靖国問題以外でも、水原は動画のなかで自らの出自を明かしたうえで、地球市民として、戦争を憎み、平和を希求するということを繰り返し語っていた。偏狭なナショナリズムを超え、相互理解と平和を訴える水原のスピーチを紹介した記事を以下に再録するので、あらためてご一読いただけたらと思う。
(編集部)
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「迷惑だから日本人の振りすんなや、クソ外人が」「中国人に謝るんじゃなくて、日本人に謝れよ」「在日は出ていけ」「堂々と靖国神社に行ったと言えばいい。謝るなよ」「都合の良い時だけ、日本人。悪くなったら、日本人じゃない」
モデルで女優の水原希子がいま、ネット上でこんなおぞましいヘイトスピーチにさらされている。