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『誰が「橋下徹」をつくったか』著者・松本創が東京都知事選で緊急寄稿!

小池百合子と橋下徹の危険な共通性!“オルタナティブ”を選んだつもりが“民主主義の敵”を生み出す結果に

 橋下氏は政治家になる以前のタレント時代に「テレビでは何を語るかよりも、どう語るかだ」と持論を述べ、大阪府知事時代には「府民は視聴者だと考えていた。だから府民にどう映るかだけを重視した」と語った。大阪市長になり、都構想の効果額が議論されていた時には「数字は見せ方次第だ」と職員にハッパをかけ、中身が市民に理解されていないと指摘を受けると、「車を買う時に設計図まで見る人がいますか?」と開き直った。

 政策の中身など誰も見ない、それよりイメージが大事なのだ、ということを繰り返し述べてきたわけだ。で、それは結果的に「ほぼ正しかった」ことを、8年間を通じて高止まりし続けた支持率と選挙の強さによって証明してみせた。「ほぼ」と言ったのは、大一番の都構想住民投票では敗れたからだ。だが、あの結果とて、都構想の瑕疵や危うさが理解されたからだと断言することはできない。都構想反対派が掲げた「大阪市なくしたらアカン」「We Say No!」などのキャッチフレーズが、賛成派の「CHANGE OSAKA!」「二重行政の解消」にかろうじて勝った、つまり、橋下氏がたった一度だけ「イメージの闘い」に敗れた結果ではなかったかと私は見ている。

『チャップリンとヒトラー』(岩波書店)という興味深い本がある。「メディアとイメージの世界大戦」と副題にある通り、映画『独裁者』をめぐる2人の闘いを子細に追ったものだ。著者の大野裕之氏は、「史上初めてそのキャラクター・イメージを全世界に行き渡らせたメディアの王様チャップリンと、イメージを武器にメディアを駆使して権力の座についたヒトラー」とそれぞれを位置付け、こう書いている。

〈「『独裁者』をめぐる闘いは、メディア=毒を駆使して頂点に上り詰めたヒトラーとチャップリンによる、メディアにおける闘い、チョビ髭をめぐってのイメージとイメージの闘いだった〉

〈……メディアを戦場としたヴァーチュアルな戦闘行為は激化の一途をたどっている。イメージを武器にしたメディアという戦場においては、毒性の強い嘘やセンセーショナルなデマが勝つ場合が多い〉

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