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琴光喜恐喝で逮捕された大相撲野球賭博のキーマンが告発本を出版! 相撲界と警察の捜査の内情を暴露

 その結果、500万円のうち250万円を取り立ての報酬、そして100万円を経費、合計350万円を先払いでもらうことになるのだが、その後「週刊新潮」(新潮社)の報道などにより野球賭博が社会問題化すると、この350万円が琴光喜を「恐喝」して得た金ということになり、古市氏は10年6月に逮捕されることになるのだった。

 古市氏は取り調べ中何度も否認していたのだが、起訴までの勾留期限が近づいてきたある日、刑事は突然「古市、頼むから認めてくれ。お前の家族も、相撲取りもこれ以上パクりたくない」と、家族をだしにして脅しをかけてきたと言う(彼の弟も相撲取りで野球賭博に関わっていた。結局この取引の直後、賭博開帳図利罪で逮捕されている)。その結果、古市氏は意に添わないながらも恐喝をしたと証言をすることに。

 警察側がこんな取引をしてまで恐喝で逮捕者を出したかった理由について、古市氏は野球賭博を資金源にしていると思われる暴力団にメスを入れたかったからではないかと推察している。

 しかし、野球賭博と暴力団の関係について古市氏は〈いまの野球賭博を支配しているのは主にカタギだ。ヤクザはむしろ「客」であって、利ざやを抜かれる側なのだ〉と語る。結局、この件でも暴力団の胴元を立件することはできなかった。

 昨年起きた、笠原将生選手らジャイアンツの4選手が野球賭博に関与していた事件でも、現在公判が続けられ、暴力団の資金源になっていないか調査が続けられてはいるが、決定的な証拠はいまだ掴めずにいる。仮に古市氏の主張する通りであるとしたら、今後もそのような証拠は出てくることはないだろう。

 野球賭博問題はこの後、力士から押収した携帯に残っていたメールにより八百長問題が明るみになり、世間の興味は八百長問題へと急激にシフトしていくことになるのだが、古市氏はその裏にも警察側の思惑があったのではないかと主張している。

〈この事件は、警視庁が進めていた一連の野球賭博事件の捜査の過程で、力士や関係者の携帯メールのなかに「八百長」の存在を示す内容のものが含まれていたため、警視庁が「公益性」を理由に、文部科学省にデータを提供したというものだ。
 これによって何が起きたかと言えば、世間の目はいっせいに分かりやすい「八百長問題」へスライドし、この野球賭博問題の「尻すぼみ」な幕切れには、誰も関心を払わなかった。
 何が言いたいかと言えば、この八百長メール事件は、間違いなく警視庁の「情報操作」ということだ。
 野球賭博問題で、暴力団の組織的関与という大きな水揚げを狙いながら、まったくその部分について解明できなかった。その腹いせと捜査に対する批判逃れのために、あえて八百長メールをリークしているのだ。これは、ある意味恐ろしいことだと俺は思う〉

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