さらに、こうした“安倍カラー”の地方議会への蔓延は、意見書の採択からも見て取れる。しんぶん赤旗16年2月7日付によれば、現在、日本会議主導の改憲を求める意見書採択が33都府県議会に広がっており、その多くは自民党単独による採択。もともとは、第二次安倍政権誕生後の13年11月に日本会議が開いた全国代表者会議で改憲意見書を促すことが提起され、これが議会に持ち込まれて14年2月に採択されたのが最初の事例だという。
記事によれば、自民党本部も各都道府県連会長や幹事長あてに意見書採択の要請文を出して、“改憲意見書”は全国各地に広がっていった。つまり、日本会議と安倍自民党ががっちりと手を組んで、自民党系地方議員に極右的改憲の方向性を植え付けているのである。
つまるところ、全国の地方議会で頻発する自民党系議員の差別発言やトンデモ発言は、安倍首相の独裁状態にある自民党のグロテスクさの写し鏡なのだ。
「都民のために身内の舛添を追いやった都議会自民党はよくやった!」などと考えるのは浅い。本稿で見てきたとおり、むしろ地方議会は安倍政権の腐食が一番進んでいる状況なのだ。こういう連中が少なからず国会議員へのステップアップを目論んでいるという現実を直視するべきだろう。
日本の地方議会の劣化を食い止めるためには、この“極右オヤジ的価値観”の親玉である安倍首相を退陣させる以外になさそうだ。
(宮島みつや)
最終更新:2017.12.05 09:53