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スマスマで東日本大震災を支援してきたSMAPが熊本大地震には沈黙 もうSMAPには無理なのか?

中居「SMAPがこういうふうにボランティア的な、きょうも呼びかけたいと思いますけども、あまり表だってやったことっていままでなくて。でも、決断したのも、どこかで偽善だと思われるのは嫌だなと思いますけど、もう、ちょっとそういうの、二の次三の次で、評価とかでなく、僕たちがいまやることって、役割っていうのは何なのかな?って。考えなければいけないなって。もうね、自分たちができることって限られてると思いますけど」
草なぎ「ひとりでも多くの方が……例えば偽善的って思われてもやっぱり発信して、ひとりでも多くの人が困っている人を助ける……」
中居「(偽善的とか)そんなこと、言っている場合じゃないんですよね」

 この放送以降、SMAPは「いま僕たちができること」という思いを実行に移しつづけてきた。ジャニーズ事務所としても被災地支援は行っていたが、それとは別にSMAPは東日本大震災復興支援財団の発起人となり、被災した子どもたちの支援のために活動。メンバー5人は総額4億円もの寄付を行う一方で、被災地の学校などでライブや握手会を開いてきた。また、プライベートでも中居は福島県の養護学校で炊き出しなどのボランティアに足を運んでいる。

 そして、何より特筆すべきなのは、前述した『SMAP×SMAP』エンディングでメンバー5人が必ず行う、東日本大震災の支援金呼びかけのメッセージだ。震災から5年間、番組ではこれを継続し、しかも呼びかけのVTRは収録があるたびに撮り直している。

 震災発生当時は、さまざまな番組で「絆を大切に」「一致団結しよう」と言い、支援を呼びかけた。だが、いまも支援をつづけている番組は、ほかにはない。こうした姿勢が、SMAPは国民的アイドルと誰もが認める所以でもあったはずだ。

「いまできることを考えよう」というメッセージは、SMAPの態度そのものでもあった。それは飯島三智マネージャーが大事にしてきたSMAPの個性であり、番組スタッフもそれを共有し放送内容に落としこんできた。しかし、そうした柔軟さや独自性さえ、解散騒動によって奪われてしまったのだろう。事実、番組のチーフプロデューサーだった黒木彰一氏はこの春に更迭され、現在は飯島氏の追い出しに成功した藤島ジュリー景子副社長が番組打ち切りを画策。後継には“ジュリー派”タレントによる番組企画が検討されているという。

 解散騒動によって生まれた、木村拓哉と他のメンバーの埋めようもない断絶。そして、ジュリー氏による『SMAP×SMAP』終了への動き……。こうしたなかでSMAPは、2011年のときのようにメッセージを発信することは、事実上、不可能となってしまったのだ。

 偽善と呼ばれてもいい。この瞬間も先の見えない不安を抱える多くの人びとの心に寄り添う、そんな放送をしたい。きっとSMAPメンバーたちのそうしたスタンスはいまも変わっていないはずだ。だが、それはもうできない──。今週の『SMAP×SMAP』で、あらためてSMAPの“空洞化”という現実を突きつけられた、そんな気がするのだ。
(大方 草)

最終更新:2016.04.26 01:04

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