籾井会長の有働アナ贔屓は公の場での発言からもうかがえる。昨年の入局式では、自分が『あさイチ』の制作現場に視察に出かけていることを強調する異例のスピーチをしていたし、今年4月3日の定例会見で、山形放送局で気象予報士が泣き出したというハプニングについて触れた際も、「某アナウンサーのように、まつげが落ちてもそれをカバーするぐらいの度量があればうまくいくが」と、有働アナをほめるかたちでフォローしていた。
しかし、なんといっても最大の証明は、有働アナの番組での扱いだ。有働アナは籾井体制になってからずっと、紅白歌合戦の総合司会に起用され続けている上、今年は大河ドラマ『真田丸』のナレーションにも抜擢されるなど、明らかに“NHKの顔”という役割を担うようになっている。籾井会長が気に入っていなければ、この重用はありえないだろう。
あの籾井会長からラブコールを受けるというのは、想像するとかなりキモい感じがするが、しかし、当の有働アナは嫌がるどころか、むしろ、積極的に籾井会長に取り入っているという局内の証言もある。
「局内で総スカンをくらっていた頃から、有働さんは籾井さんと会うと、にこやかに話しかけ、かなり優しくしていた。番組でも、籾井さんの嫌がるようなことは絶対言わないように気をつけていますしね。その結果、二人はかなり親しくなって、今では、突っ込んだ話もするようになっています」(NHK関係者)
実は、有働アナは以前から、局内で“究極のジジイ殺し”と言われていた。特に1997年から2005年まで会長をつとめた“独裁者”海老沢勝二元会長からは寵愛を受け、NHKが嫌うはずの略奪愛など数々の男性スキャンダルがあっても、それを跳ね返し出世街道をひた走ってきた。その手腕が、籾井会長に対しても発揮されたということだろうか。
いずれにしても、今回、『クローズアップ現代+』の人事も、けっして有働アナが籾井会長に敬遠されたということではなく、むしろ逆。籾井会長は有働アナを守るために、番組キャスターから外したということらしいのだ。
「今回の人事で、籾井さんはやっぱり、有働さんのことが可愛くて仕方がないんだな、というのがよくわかりましたね。『クロ現+』は政権の圧力で国谷キャスターを更迭してリニューアルしたということで、変な意味で注目を集めている。しかも完全に腰が引けた内容になっていますから、評価が下がるのは目に見えている。そんな番組に有働さんを起用したら、その経歴や今後に大きな影響が出かねない、とストップをかけたようです。一説には、有働さんのほうから籾井会長に頼んだのではないかという話もあったほどです」(前出・NHK関係者)
お茶の間での圧倒的な人気に加え、“独裁者”籾井会長まで味方につけてしまう組織遊泳術。このままいくと、冗談ではなく、“初の女性会長”なんていうこともありうるかもしれない。
(林グンマ)
最終更新:2017.11.24 09:52