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「2人以上産め」校長も安倍首相も…“子育て右翼”が増殖中! 「子を産まない女は女にあらず」「保育園に頼らず自分で育てろ」

〈昨今、世の中の右傾化が目立つと言われておりますが、これらの意見を聞いていると、子産み・子育ての世界においても右傾化が進んでいる気がするのでした。右寄りの人々というのはすなわち、保守的な体制を維持しようとする人達。そしてもし、女性が「子を産む機械」なのだとしたら(中略)世の右側に置いてある機械は、「この国の、そして私の家族の、未来永劫の弥栄のために、私は子を産まなくては。私個人の自己実現など、大した問題ではない。体制を維持するために私は、子育てに専念します」と思うことでしょう〉

 この「子を産む機械」発言をしたのは、第一次安倍内閣で厚生労働大臣を務めた柳澤伯夫氏だが、安倍内閣からは例外なくこうした「子育て右翼」発言が飛び出している。たとえば2014年には、同じく第一次安倍内閣で外務大臣を務めた故・町村信孝氏が「40代で生まれる子と20代で生まれた子は育ち方が違う」と、まるで出産時の年齢によって発育に差がある、若いときに出産すべきと言わんばかりに発言。また、昨年には、菅義偉官房長官が福山雅治と吹石一恵の結婚について尋ねられ「ママさんたちがいっしょに子どもを産みたいというかたちで国家に貢献してくれれば」などと言い、“お国のために子を産み貢献しろ”というまさに「子育て右翼」の見本のような発言を残している。

 そして、忘れてはならないのが、第二次安倍政権で導入しようとした「女性手帳」の存在だろう。〈医学的に30代前半までの妊娠・出産が望ましいことなどを周知し「晩婚・晩産」に歯止めをかける狙い〉(産経ニュースより)だったというが、このときからすでに安倍政権は“体制維持のための出産”と考えていることが明らかになっていたのだ。

 しかも、このような「子育て右翼」内閣は、ただ“産めよ殖やせよ”と叫ぶだけで、少子化の根本的な問題──非正規雇用や低賃金などの不安定労働の解消、男性の家事・育児参加の推進、出産後の職場復帰・再就職の支援、社会保障の充実、待機児童やマタハラなどの解決──に真面目に向き合うことはない。これは世界的に見ても少子化対策として逆行したものだ。酒井氏も、このように述べている。

〈出生率が日本のように下がっていない先進諸国は、男女の平等を目指すことによって、出生率低下を食い止めています。家事や育児を男性も担い、子育て中の女性も働き易い制度と環境を整えることによって、男女ともに「仕事も家庭も」ということになっている。
 子育て右翼の人達の考えを推し進めるということは、日本を昔ながらの家族制度に戻すということですが、そのような手段で出生率を押し上げた国は、今までありません。日本や韓国のみならず、イタリアやスペインなど、伝統的な家族制度が根強く残る国ほど、出生率は低下していったのですから〉

 そして酒井氏は、前述した長谷川氏について、〈件の、NHK経営委員の女性は、安倍首相と近い思想を持つ人物だということです〉とふれ、安倍首相の矛盾を指摘し、さらに隠された本音をこう想像する。

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