首相官邸HPより
「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログを発端に、国会でも連日論戦となっている待機児童問題。2月29日には衆院予算委で「匿名である以上、実際起こっているか確認しようがない」とにべなくあしらった安倍首相に対して、国会前で待機児童問題の解決を訴える人々が抗議活動を行うなど、政権に大きな批判が巻き起こっている。
3月14日の参議院予算委でも俎上に上がると、安倍首相は「保育士の社会的評価」についてこのように述べた。新党改革・荒井広幸議員への答弁。
「菅官房長官の下で、時代の変化に対応した栄典の授与に関する有識者懇談会を開催しており、叙勲において、保育士や介護職員を積極的に評価していくことについても検討していきたい」(NHKニュースより)
ようするに安倍首相は、待機児童問題の背景にある保育士などの“待遇改善”の一環として、勲章などの栄典を授与することを検討しているというのだ。この安倍首相の答弁にはたちまちネット上でこんな声が巻き起こった。
「叙勲てなによ。それで食ってけるの?」
「給料上げろって言ってんのになんで勲章なんだよ。頭おかしいだろ」
「勲章やるから、保育に介護にがんばれってか。いらねぇ」
「発想が完全にやりがい搾取のブラック企業だな」
「叙勲のニュースを知って今の職場をとっとと退職しようと決意しました」
また、病児保育などに関するNPO法人フローレンス代表理事・駒崎弘樹氏も自身のツイッターで〈僕は、給与も8〜10万円上げて、「叙勲も」してくれるんだったら、それは良いと思います。「叙勲だけ」とか「月4000円アップで叙勲」とかはダメですよ、という話〉と苦言を呈すなど、専門家や実際に保育に携わる人々からも安倍答弁へのダメ出しが噴出している。
こうした反応は至極当然だろう。各報道によれば、保育士の月給は平均約22万円。全職種の平均よりも約11万円も低い。政府は11日に待機児童解消のためとして、保育士の給与の2パーセント引き上げの検討を始めたというが、その上昇率で計算しても、たったの月4400円増である。どう考えても十分でなく、もし安倍政権が保育士の低賃金の目くらましとして「叙勲」を考えているのであれば、国民をバカにしているにもほどがある。