この田崎氏の“安倍政権のスポークスマン”ぶりは、特に昨年の安保法の国会審議中には凄まじいものがあった。『ひるおび!』以外にも、連日のように『とくダネ!』『直撃LIVE グッディ!』『みんなのニュース』(フジテレビ)、『報道LIVE あさチャン!サタデー』(TBS)、『ウェークアップ!ぷらす』(読売テレビ)などの番組をはしごし、“14年末の衆院選で安倍政権を選んだから安保法案は信任されている”“次世代の党などが賛成していたのだから強行採決ではない”などと、一貫して世論形成に勤しんだ。
こうした田崎氏の所業を知れば、今回の待機児童問題で「第一希望しか書いていないから入園できない」というような事実無根のデマを振りまいたことも納得できるだろう。いま、待機児童問題は、安倍首相の国会での「匿名である以上、実際起こっているか確認しようがない」という逆ギレ答弁や、野党の質問中の与党議員らによる問題を取り上げること自体を封じるようなヤジの数々に、国民の憤りが爆発。一気に参院選に影響しかねない安倍政権の“急所”になった。
田崎氏は昨日の『ひるおび!』でも待機児童問題が大きく世論を賑わしている状況について、フリップ内コメントで「(野党は)この問題は世論を引きつけている手応えを感じかさにかかってきている。やはり参院選を意識していると思う」などと述べ、政局的な動向にすり替えて議論自体を矮小化しようとしていた。
だが、ひとつだけ言えることがある。待機児童問題は、田崎氏が狙うような、政局を見据えた政治家どうしのかけひきではない。実際、現在も多くの保護者の頭を悩ませ、入園できない児童を生み出し続けている喫緊の課題であることを、すでにほとんどの国民は理解している。そして、それは問題にまともに取り組もうとしない与党への怒りともに、御用ジャーナリストへの批判にも結びついている。
事実、今回の田崎氏の『ひるおび!』での発言は、放送中からツイッターやSNSで「田崎という人の発言はおかしい」という多数の声がすぐさま上がった。それが、国民の怒りの証明だ。そして、その“怒り”が次に向かうのは、田崎氏が官邸や安倍首相とべったりであることを知りながら、政権を忖度して起用し続けるテレビ局だろう。
国民はあなたたちが思っているほどバカじゃない。田崎氏にも、安倍首相にも、そうはっきりと言っておきたい。
(宮島みつや)
最終更新:2017.11.24 08:56