だが、少しずつではあるが、プロ野球選手のセカンドキャリア対策も進み始めてはいる。13年からは、講習を受ければプロ野球OBも高校の野球部で指導することができるようになった。それまで、元プロ選手が高校野球で指導者となるには2年の教員経験が必要だったが、この制度改革により教員免許を取得せずとも高校野球で指導の職を得ることができることになり、セカンドキャリアの道は大きく広がった。しかし、これもまた狭き門だという。プロ野球OBを野球部に迎え入れたい、またはその余裕のある学校というのも少なく、セカンドキャリア対策の抜本的な策とはなり得ていない。
今回の清原の逮捕は、昨年末の野球賭博事件で改めて浮き彫りになった球界の倫理教育徹底の必要性を再認識させるとともに、問題が指摘され続けているプロ野球OBのセカンドキャリア対策の必要性も再度人々に認識させるものとなった。この問題を早急にクリアさせなければ、清原をはじめ本稿に登場したような選手は、今後も増え続けてしまうだろう。
(井川健二)
最終更新:2016.02.16 06:06