引退後に待ちかまえる厳しい現実(「清原和博オフィシャルブログ Powered by Ameba」より)
清原和博容疑者の覚せい剤騒動が収束の気配を見せない。先日、150回分の使用量にあたる覚せい剤5グラムをわずか1カ月間で使い切っていたことが報じられ、清原は相当な常習癖および重度の依存症に陥っていたとされる情報も出てきている。
「いつ頃から」「なぜ」覚せい剤を始めてしまったのかについてはまだ判然としないが、現在指摘されているのが、引退後、ぽっかりと空いてしまった心の穴をクスリによって埋め合わせていたのではないかということだ。2011年、清原は高須基仁氏との対談で、その年に自殺した伊良部秀輝に思いを馳せながらこんなことを語っている。
「「伊良部は、やりたいことがなかったのかな」と思いました。僕も引退して今年3年になるんですね。正直なところ、何ひとつ目標が見つからないんですよ。これがしたい、あれがしたいという気持ちがない。ひざの痛みも、ますますひどくなる一方なんです。現役時は「引退したら、このひざの痛みは楽になる」と思ってたんです。そしたら引退してからのほうが、ひざの痛みはどんどん増していくんです」
「これから本格的に、今後のことを考えていかなければいけないなと思っています。戦争から帰ってきた兵士はこういう状態なのかなと思いますね。毎日酒飲んでふらふら歩いて、なんの目的もなくあっという間に3年もたってしまって、自分の年齢さえ忘れてしまった」(「サイゾー」11年10月号)
満員の観衆の前で白球を追いかけたスター選手たちが、引退後、それまでの輝かしい人生から一転した普通の生活に馴染めず、堕落の一途をたどってしまうことは、清原の例のみならずたくさんある。本稿ではそんな野球選手たちの悲しい人生を振り返ってみたい。
まず、清原と同じくクスリに手を出してしまった選手。清原騒動を受け、現役時代とは変わり果てた姿でメディアに登場し、ある意味、清原以上に話題となっている野村貴仁だが、彼は06年に覚せい剤取締法違反で逮捕されている。オリックス、巨人、そして、大リーグのブルワーズなどで活躍したが、現役中に始めた興奮剤の服用が引退後も止められず、覚せい剤の使用にまで発展。逮捕へといたってしまった。