実際、ジャニーズ事務所自体はそういう事態を避けるために、飯島サイドとの交渉に応じ、円満解決を目指していた。それをメリー氏がひとりヒステリーを起こして全部覆し、まさに事務所もタレントも、飯島派もジュリー派も誰ひとり得しない状況をつくりだしてしまったのだ。
しかも、事態が明るみになった後もメリー氏のヒステリー状態はおさまらなかった。ジャニーズ事務所はある時期から、テレビ局や政財界などの要請を受け、4人を元の鞘に戻せるよう動いていた。中居ら4人も謝罪の意思を見せていた。しかし、メリー氏は最後まで許そうとしなかった。
メリー氏は、騒動後の「週刊新潮」(新潮社)のインタビューで、「4人が謝罪に来ない」といっていたが、これは逆で、4人がメリー氏にアプローチしても、頑として会おうとしなかったという。
一部の報道では、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)での謝罪の前日、4人がメリー氏に会い、謝罪したとされているが、これも少し違うらしい。
「4人はジャニーさんに会っていますが、メリーさんには結局、会ってもらえなかったとの見方が根強い。そこで、ジャニーさんがOKを出して、メリーさんへの謝罪のためにあの放送をすることになったんです。SMAPに解散されては困るテレビ局やジャニーズ事務所が、なんとか元の鞘におさめるために、見切り発車で、5人一緒に声明を出させて、それで外堀を埋めようとしたという部分もある。ようするにメリーさんの許しを得ていない状態だったから、5人はあの生放送ではっきりSMAPを続けるとは言えなかったというわけです」(テレビ関係者)
そういう意味では、今回、ジャニーズ事務所はメリー氏の意向を受けて動いていたというより、むしろ、メリー氏の暴走を止めようとして動いたが止めきれなかったといったほうがいいだろう。
それは、マスコミ対策でも同様だった。ジャニーズ事務所の広報担当幹部のS氏らは騒動を最小限におさえようと情報をコントロールしていたが、メリー氏がなんと、みずから旧知のスポーツ紙記者に直接電話をかけて、飯島氏や中居の悪口をまくしたて、木村拓哉がかわいそうだと訴えていたのだという。
結果、内情がどんどん露わになっていき、ジャニーズ事務所のイメージは悪化し、ファンからの抗議殺到という事態にもつながっていったのだ。
まさに、SMAP騒動はたったひとりの老人の妄想から始まり、そしてその暴走によって社会を揺るがす大騒動に発展していったわけだが、しかし、ジャニーズの女帝のこうした異常な行動は、飯島氏やSMAPに向けられたものだけではない。
次回は、この数年にわたるメリー氏の奇行、そして、その背景にある娘、藤島ジュリー景子氏との関係について迫ってみたい。
(時田章広)
【検証!SMAP騒動とジャニーズの女帝→(前編)(中編)(後編)】
最終更新:2016.01.31 03:52