『リーダー論』(講談社AKB48新書)
31日放送の『第66回NHK紅白歌合戦』が、AKB48のメンバーとしては最後の音楽番組出演となる予定の高橋みなみ。
高橋は、本来の予定であれば2015年中には卒業する予定だったのが、グダグダのうちに来年3月まで延期。しかも、同月発売予定のシングルには、前田敦子、大島優子、板野友美、篠田麻里子のOG4名に混ざり選抜として選ばれているので、確実に「最後の音楽番組出演」とはならないような気がするのだが、現段階では一応そのように報じられている。
そんな高橋みなみだが、周知の通り、12年8月からはAKB48グループの「総監督」として、AKB48、SKE48、NMB48、HKT48、JKT48、SNH48、総勢500名以上におよぶメンバーをまとめる立場として活躍してきた。その統率力やスピーチ力は高い評価を得ており、あの田原総一朗氏が政界進出を勧めたほどである。
このようにリーダーシップに関して定評のある高橋が、卒業を間近にしたこの年の瀬、『リーダー論』(講談社)という新書を出版。「総監督」としての経験から得たリーダーとしての哲学を綴っている。高橋にとって「リーダー」とは何なのか? 同書にはこのように書かれている。
〈リーダーの大事な仕事は、メンバーのひとりひとりといい関係性を築くこと。「みんな」とは、ひとかたまりの何かではない。一対一の関係性の積み重ねが、「みんな」になる〉
高橋は本書のなかで、繰り返しメンバー「ひとりひとり」とコミュニケーションをとることの大切さを説いている。そこには、世代も出身も全くバラバラな女の子が集まる「AKB48」という集団ならではの統率の難しさから得た経験があったようだ。
〈女の子は小さな集団を作る生き物です。何人かでいつも一緒に行動して、内輪だけに通じるおもしろワードを作ってしゃべっている。
それが学校の教室だったら別にいいと思うんです。でも、みんなで力を合わせてひとつのことを成し遂げようとしているなら、それは良くない〉
高橋は初めてチームのリーダーを任された際、まずはその「小さな集団」を壊しチームをひとつにしようとしたと語っている。当時、高橋がリーダーを任されたチームAは、「年長組」同士や「年少組」同士などで固まっている「ダマ」があった。これがチームのコミュニケーションを濁らせていると彼女は認識。その「ダマ」をほぐすにはどうすればいいか考え続けていた。