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声優学校ではスキルよりコネを身につけろ!? 声優キャスティングの生々しすぎる実態を現役プロデューサーが暴露

『声優サバイバルガイド~現役プロデューサーが語る“声優の戦い方”』(くびら出版)

 大晦日の『NHK紅白歌合戦』に『ラブライブ!』声優9人組μ'sが初出場するなど、声優ブームはとどまる気配がない。深夜アニメやアニメーションを用いたCMの増加、月9やバラエティ番組でのボイス使用など、声優が起用される機会も増えた。それに伴い、声優志望者も多くなり、新人のデビューも相次いだ。しかし、そんなあまたの声優がいるにも関わらず、同時期のアニメに同じ声優が何作品も登場していることは珍しくない。そのキャスティングは一体どうやって決まっているのだろうか? 『ああっ女神さまっ』や『吉永さん家のガーゴイル』などを手がけた現役プロデューサー・大宮三郎が書いた『声優サバイバルガイド~現役プロデューサーが語る“声優の戦い方”』(くびら出版)から、その実態に迫ってみよう。

 キャスティングは、オーディションや原作関係者、制作関係者などによって決められる。オーディションは主に主役を決める際に行われるが、主役や名前のある脇役は、原作関係者や監督、プロデューサーといった制作関係者が決める場合もあるという。オーディションにも、制作側からある程度参加者を絞り込んで行われる「クローズド」と言われるものと、作品の概要やキャラクターのプロフィールなどを各事務所に提示し、参加者を募る「オープン」と言われるものがある。「オープン」の場合、まれにプロ・アマ問わずに募集を掛けることもあるそうだが、プロを対象としたオーディションの場合、すべての事務所に声がかかるわけではない。さらに、たとえ事務所に声がかかっても、社長やマネージャーなど、誰を参加させるか決める権限のある人に気に入られていなければ、参加するチャンスも得られないのだ。

 また、名前はないがセリフのある役、ガヤなどは音響の制作関係者が決めるというが、こちらも制作関係者が仲の良い事務所のマネージャーに声をかけ、候補を出してもらうそうだ。つまり、事務所に所属していないフリーの声優は、音響監督や音響の制作担当者と直接コネがなければ、声がかかることはないということ。いずれにせよ、たんに「仲が良いから」というだけでキャスティングされることはなくても、「自分が知っている声優の中からもっとも役に適した人」が選ばれるのが必然。「事務所に所属すれば仕事がもらえる」という考えは間違いだが、新人でどこの事務所にも所属していないと、よほどのコネでもない限り、スタートラインにすら立てないということになる。

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