野田聖子オフィシャルホームページより
パリの同時多発テロで、日本が対テロ戦争に巻き込まれる危険性がさらに高まったが、もうひとつ、日本に戦争リスクをもたらしているのが、中国が岩礁を埋め立てている南シナ海、南沙諸島へのアメリカの軍艦派遣だ。
安倍首相はこれについて11月11日の参議院予算委員会で、南シナ海への自衛隊の派遣について「十分に検討する」と発言。状況次第では今後、南シナ海で自衛隊が米軍と共同行動をとって、中国と対峙する可能性があることを示唆したのだ。
これに対して自民党内で真っ向反対の立場をとるのが、先の総裁選で官邸の工作によって出馬断念に追い込まれた元自民党総務会長の野田聖子衆院議員だ。つい最近も、11月4日放送のBS日テレ『深層NEWS』での「(南シナ海問題は)日本に関係ない」発言が物議を醸し、ネットで炎上する騒ぎがあった。
野田氏の“問題発言”は以下のとおりだ。
「そこは直接、日本には関係ありません。あまりコミットすることはないですし、むしろ日本としては人的交流、科学技術の供与など、得意分野で中国との溝を埋めていくことが、いまいちばん最初に求められることだと思います」
これを時事通信が〈南沙「日本に無関係」=野田聖子氏〉のタイトルで配信したことから、たちまち騒動が拡大した。ネット上には「とても次期総理を考えている人の発言とは思えない」「この物言いは、政治センスの無さを物語っている」「無知なのではなく、完全に中韓の代理人としての言動だろう」「平和ボケもいいところ」「これでは鳩山由紀夫元総理レベルの妄想」などの書き込みがあふれた。
だが、野田氏の発言のいったいどこが問題なのか。拡散した時事通信の記事は一部を切り取ったものだが、実際の発言は当然ながらもっと長い。キャスターから、南沙諸島での中国の埋め立てとアメリカの軍艦派遣の問題に日本はどう向き合うべきか、見解を聞かせて欲しいと質問され、野田氏はまずこう話したのだ。