上・高須克弥Twitterより/下・西原理恵子Twitterより
いまや富裕層エリートのネトウヨ=エリウヨの代表格となっているのが、高須クリニック院長の高須克弥氏だ。連日、氏のTwitterではネトウヨ言説が恥ずかしげもなく垂れ流されているが、南京事件の世界記憶遺産登録問題を〈数の問題だ。数が大きいのを大虐殺と言うんだ。大虐殺はなかった。便衣兵の殲滅と処刑はジュネーブ条約違反ではない〉と主張し、今月10日に開かれた“極右の祭典”と化した「今こそ憲法改正を!1万人大会」にも嬉々として参加。〈自虐史観払拭し父祖の名誉を回復し民族の誇りを取り戻そう 自主憲法を制定しよう!それから真の日本再生がはじまる〉と投稿している。
さすがは自ら「ネトウヨ」と名乗るだけのことはあるが、ここで気になるのは、高須氏の恋人である漫画家・西原理恵子の存在だ。いったい、西原氏は“ネトウヨ彼氏”のことをどのように受け止めているのか、筆者含め心配している愛読者は少なくなかったが、ついに、この“サイバラは高須のネトウヨ発言をどう思ってるのか問題”を高須氏本人が言及した。
「僕の彼女の西原理恵子のところには「高須の彼女だから、もう、おまえの漫画は買わない」とか、安保法制反対派から、ものすごいたくさんツイートが来たようです」
高須氏がこう話しているのは、現在発売中の「正論」(産経新聞社)12月号に掲載された八木秀次氏、細川珠生氏との鼎談でのことだ。やはり高須氏の言動が西原氏本人にも影響を与えていたようだが、高須氏はこのように言葉をつづけている。
「西原は中道なんですが、僕に怒って来ましてね。「私は漫画で食ってるんだから、そんなに旗色をはっきりされると困るんだけど」って。だけど、イデオロギーはもちろん、ある法案の賛成派か反対派かなんて、彼女と彼氏で違っていい。僕は、西原にそう言ったんだけど、西原は「私はどっちからも漫画を買ってほしい」と言うんですよ(笑)」
高須氏を諫めるでもなく、「漫画を買ってほしいから旗色ははっきりさせるな」と怒るだけ。──正直、「サイバラ、どうしちゃったの?」と思わずにはいられない話ではないか。たしかに、高須氏が言うように恋人同士で政治的主張が食い違うこと自体はよくある話だし、意見をぶつけ合いながらも相手の思想を尊重するのは大事なことだと思う。しかし、高須氏の場合、その政治的主張および思想は、差別主義に基づいて歴史をねじ曲げており、看過できないものだ。