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日本の税制はトヨタのためにある! 国民への課税強化の一方でトヨタは1200億円の減税、そのからくりとは?

 15年3月8日付「しんぶん赤旗」は、13年度に6240億円にのぼった法人税の研究開発減税額のうち、トヨタが総額の約2割に及ぶ1201億円もの最多の減税を受けていた事実を明らかにしている。

 しかも、この13年度といえば、トヨタが過去最高を更新する2兆3000億円近い営業利益をあげ、豊田章男社長が決算会見(14年5月8日)で「うれしいことは日本でも税金を納めることです」「社長になって国内で一度も税金を払っていなかった。企業は税金を払うのが使命。納税ができる会社としてスタートラインに立てたことを素直に嬉しく思う」と述べた年度だ。

 これまでにトヨタは08年度から12年度の5年間、黒字の年度も含めて法人税(国税分)を1円も払っていなかったことが明らかになっている。これは「外国子会社からの受取配当の益金不算入」という制度を利用して、トヨタの外国の子会社からの配当への課税を免れていたというものだ。

 だが、それだけではなく、トヨタは「企業は税金を払うのが使命」「うれしいことは日本でも税金を納めることです」などといいながら、その翌年度も研究開発費減税を利用して1201億円もの減税を受けていたということになるのだ。

 ただし、こうした租税特別措置も見直しの機運が高まりつつある。国税と地方税を合わせた法人実効税率は15年度に2.51%引き下げて32.11%となり、16年度にはさらに0.78%下げ、31.33%にすることが決まっている。政策減税の廃止・縮小で引き下げのための代替財源を確保し、どこまで引き下げ幅を拡大できるかが焦点になっているためだ。

 しかし、トヨタへの政策減税はとうてい見直されようがない。というのも、研究開発費減税も「外国子会社からの受取配当の益金不算入」という制度もトヨタ側が強い政治力を利用して、政府に働きかけて採用させた「トヨタ減税」ともいうべきものだからだ。

「法人税制に隠された数々の特別措置には、トヨタのためにつくられたとしか思えないようなものが多々ある」(前出『税金を払わない奴ら』)

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