実際、馳文科相はこれまでも、東京五輪について、森会長の暴走を止めるどころか、「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会顧問会議・顧問」や「20年東京オリンピック・パラリンピック推進議員連盟事務局長」として後押しをしてきたのだ。
たとえば、今年7月、新国立競技場の巨額予算の国民の批判が集まる中、森会長主導でJSCの有識者会議が2520億円の予算でザハ案を強行しようとした時、馳氏は批判するどころか、こんな発言をしている。
「新国立競技場を中核にしてスポーツレガシーを残していかなくてはいけない。神宮外苑一帯を特区構想として一体的に整備し、活用していくことを視野に入れた考え方が必要だと思う。スポーツ文化の発信エリアとして再開発すべきだ」
これは新国立競技場建設だけでなく、森氏が狙う神宮外苑地区の再開発という巨大利権の露払いを意識した発言ではないのか。いくら親分の命令とはいえ、こんな人物を文科相にすえてしまう安倍首相は、国民をなめているとしか思えない。
(伊勢崎馨)
最終更新:2015.10.13 11:30