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「安保法制必要が7割」はインチキだった! 産経、フジテレビの世論調査が今度は質問改ざんで回答を誘導

 FNN産経合同世論調査では、これに「必要」(69.4%)と「必要ない」(24.5%)で答えさせていたわけだが、ここには2つの問題点がある。

 ひとつめは、質問文の“枕”に「日本の安全と平和を維持するために」という言葉をこっそりしのばせていることだ。いうまでもないが、今回、安倍政権が強行した安保法制はむしろ、日本が戦争に巻き込まれるリスクを増大させると指摘されている。これは専門家からも指摘されており、だからあれだけの反対運動が起きたのに、この調査ではわざと「日本の安全と平和を維持するために」とポジティブな理由があることを強調して、「必要」と答えたくなるよう誘導しているのだ。

 もうひとつはもっと悪質だ。冒頭で紹介したように、『みんなのニュース』では「(「必要」が)先週より15ポイント以上多い」と報道したが、実は、この「先週」にあたる12日・13日両日のFNN産経合同世論調査の結果を調べてみると、該当すると思われる設問の文章はこうなっていた。

〈あなたは、日本の安全と平和を維持するために、安全保障関連法案の成立は必要だと思いますか、思いませんか〉(「必要」52.7%、「必要ではない」38.7%)

 そう、質問自体が、「安全保障関連法案の成立」から「安全保障法制を整備」にコッソリ変えられていたのだ。つまり、前回調査では安倍政権による安保法案への評価を聞いているのに対し、今回の調査では安全保障法制の「整備」と、まるで“日本の安全保障をめぐる一般論”として聞いているかのような印象を与えるようにスリカエられていたわけである。

 さらに、法案可決直後という時期に約15ポイントも増加していることを踏まえると、調査に応じた人たちのなかには、“可決された安保法案はかならずしも成立が必要だったとは思えないが、一般論としては「整備」が必要だ”と考えて「必要」と答えた人が一定数いると想像できる。さらに、“政府による安保法制は穴だらけだから、いまいちど国会を通して「整備」したほうがよい”と考えて答えた人もいるかもしれない。もしそうであったならば、〈法案が成立したことを、あなたは評価しますか〉という別の質問に対し「評価しない」が約6割だったこととも矛盾しないだろう。

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