NHK『日曜討論』番組サイトより
またしても“安倍チャンネル”ことNHKが、安保法制について露骨なミスリードを行った。本日午前9時から「どうなる採決 改めて問う 安保法案」と題して放送された『日曜討論』だが、その公式Twitterが放送後、こんなつぶやきを投稿したのだ。
〈先ほど放送終了。直後の感想戦が実は非常に面白いことがよくあります。そこでは「主張が重なる部分」も実は多いことなどが互いに確認されたりします。きょうは反対代表としてご出席頂いた木村氏が採決について「機は熟している」と言い切ったのが印象的でした。夜9時のNスペも宜しく(^o^)。〉
……??? これだけを読むと、反対派代表と出演した憲法学者の木村草太氏が「(採決するには)機は熟している(ので賛成)」と言ったようにも感じる。だが、実際の放送での発言は、まったく違う文脈だったのだ。
まず、本日の出演陣は、賛成派としてマサチューセッツ工科大学シニアフェローの岡本行夫氏、慶應義塾大学教授の細谷雄一氏、反対派として第一次安倍政権では内閣官房副長官補も務めた元防衛官僚の柳澤協二氏、そして首都大学東京准教授で憲法学者の木村草太氏が出演した。
木村氏は番組冒頭から「今回の安保法制には明白に違憲な部分があります」「法案はひとつに束ねられていて、個別に議決することはありません。したがって違憲立法を避けるのは、すべてを否決するという選択を取らざるを得ない」「憲法というのは、主権者である国民の意思ですから、憲法を無視してこの法案を押し通すのは国民を無視することになる」と、今国会での安保法制採決を反対。その後も安保法制の欠陥点を個別具体的に指摘していた。
そして番組の最後に、司会者であるNHKの島田敏男解説委員に「国会、ここでの議論、これが十分に尽くされてきているのかと、ここについての意見を伺いたいと思います」と振られ、そこで木村氏は「時機自体はわたしは熟しているというふうに思います」とたしかに返答している。
だが、その言葉につづけて、木村氏は一切のよどみもなく、このように発言していた。