J-NSCとは、自民党が下野時、有志に呼びかけて設立した党「公認」のボランティア集団。その活動内容は、自民党の政策や方針などをネットに日々書き込むこととされているが、実態は、ネット上で他党のネガティブキャンペーンを行う“別働ステマ部隊”だ。J-NSCの会員専用サイト内には掲示板があって、ここに自民党関係者が他党に関する情報を書き込み、ネトサポが拡散する仕組みがあると言われている。
詳しくは本サイトの過去記事をご覧いただきたいが、ネトサポのかなりの部分はネトウヨやヘイト勢力と重複している。たとえば今回、〈民主党や蓮舫らの仕分けによって、堤防の予算を仕分けし削ったというのは本当ですか??? 民主党は日本国民の生命と財産を守ることより、日本を破壊することに必死なようですね。許せません。日本を貶めることに必死な民主党〉とツイートした、J-NSCを名乗るユーザーのプロフィール欄を見てみるとこんな感じだ。
「左翼撲滅。憲法第9条廃止。自衛隊を国軍へ。原潜と核抑止力保有。交戦権明記。自主憲法制定。日教組解体。外国人参政権(帰化人親子4代参政権)反対。夫婦別姓反対。共同親権と面接交渉の法制化。国家と君が代への忠誠。愛国心教育。打倒中国韓国北朝鮮&左翼労組&民主党。北朝鮮は拉致被害者を返せ!通名禁止。在日特権廃止。J-NSC会員」
ほかにも、「嫌韓・嫌中!」や「特アには絶対に侵略されたくない!」などとプロフィールに書き込んでいるJ-NSC会員を名乗るアカウントが〈反原発派・左派は、なんの為に原発反対して太陽光を推し進めてたのか?人命に危害が及ばないように反対してたんだろ?〉などというツイートを次々とリツイートしている様が確認できる。
ようするに、今回の大規模災害を他党のネガキャンに利用するために、自民党がネトサポに指示していた。そういう筋書きがあっても、なんの不思議もないだろう。
というのも、本サイトで既報のとおり、昨日、安倍首相は、多数の国民の命が危険にさらされているなか、安保法案成立のための“作戦会議”を優先し、夕方頃になってやっと災害に関する関係閣僚会議を開く始末だった。その対応の遅れをカモフラージュしようとしたのかもしれない。
いずれにせよ、11日午前4時現在も東北地方などで土砂崩れや河川の氾濫の危険性が迫っている。ネトサポのデマに踊らされず、冷静に警戒を続けていくことが必要だろう。
(宮島みつや)
最終更新:2015.09.12 12:06