しかも、こうした安倍首相の回答に、辛坊はじめ、読売新聞特別編集委員・橋本五郎、元米国務省日本部長のケビン・メア、元外交官で評論家の宮家邦彦、安保法制を合憲だと主張する日本会議系憲法学者の百地章、ネトウヨのアイドル・竹田恒泰など、安倍応援団のコメンテーターたちが聞いていて恥ずかしくなるようなヨイショを連発する。
たとえば、70年談話については、辛坊が「誰にも突っ込まれないような、本当に針の穴を通すような(よくできた)もの」、百地が「私は大変感動しました。よくやってくださったと思います」、宮家が「非常に歴史的な談話だったと思っているんです」とこぞって大絶賛。アメリカ議会の演説についても、ケビン・メアが「アメリカ国民の琴線に触れましたよ」「泣いている議員もいました」と褒め、辛坊が「アメリカ人が言うんだから間違いない」とお追従を述べた。
さらには『委員会』ならではのネトウヨトークもあった。竹田恒泰が韓国の朴槿恵大統領について「日米韓の三ヶ国首脳会談のときにせっかく安倍総理が韓国語でちょろっと話しかけたのに『フーン!』ていう態度をしたでしょう」と嫌韓丸出しの悪口を繰り広げると、安倍もうれしそうに「聞こえにくかったのかねえ、私の発音がアレだったのか」と答える。
予備自衛官の葛城奈海にいたっては、拉致問題に触れて安倍首相に「いざとなったら自衛隊を救出に使うよということを言っていただきたい」などと、北朝鮮への武力侵攻を提案する始末だった。
そして、番組の最後には、前述の「左翼くん」が再登場。辛坊の「それでは左翼くんと内閣総理大臣、歴史的な握手です!」というかけ声のなか、安倍首相と左翼くんががっちり握手をかわしたのである。
なんという茶番、なんというグロテスクな内容だろう。わが国の総理大臣は国会をサボって、こんな低レベルのネトウヨバラエティに出演していたのだ。これが民主主義国家のトップに立つ者のやることだろうか。
しかも、問題なのは、すでに本サイトで指摘したように、この番組出演が例の『殉愛』騒動の“黒幕”Iによって仕掛けられたということだ。
Iは『委員会』の制作会社A社の代表で、やしきたかじんの死後は百田尚樹氏とともにさくら夫人のイメージアップに奔走。たかじん利権を自分たちのものにしようと動いていたとして有名な人物だ。
さくら夫人が「OSAKAあかるクラブ」への寄附2億円の放棄を同団体に求めて協議を行った際には、百田とIが同席していたことが明らかになっている。いくらたかじんとの仲が深かったからとはいえ、どうしてIが寄附放棄を迫る現場に立ち会う必要があったのか。