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なぜ女たちは岡田斗司夫に引っかかったのか? あの「先生」に口説かれた女子が分析!

 この、悪魔の呪文のような言葉もまた岡田氏と共通する点だ。岡田氏の場合、ネット上で暴露された話だと相手を言葉巧みに洗脳して性的関係に持ち込んでいた節がうかがえる。著者の相手である「先生」も同様に、言葉によって追い込むという手を使っていたのだろう。だが、彼女はこの言葉によって目が覚めた。「所詮ヤりたいだけじゃんか、このオッサン」と、真実に気付けたのだ。

 とはいえ、こうしたオッサンにロックオンされた女性すべてが、こうした悪魔の呪文に抗えるわけではない。なにせ相手は憧れだった人なのである。嫌われたくないと思ってしまえば、もうあとは身体を許すしか道はない。きっと岡田氏も、そしてこの「先生」も、何十人、もしかすると何百人もの女性を落としてきたのだろう。

 では、どうして彼女はたった一言で目が覚ますことができたのか。それは彼女が「サークルクラッシャー」だったからだ。

 サークルクラッッシュというのは、〈男性の比率が高いコミュニティ〉において複数の男性が「紅一点」に好意を寄せ、サークルが消滅に追い込まれる状態。すなわち、クラッシュの原因となる「紅一点」がサークルクラッシャーと呼ばれる。サークルクラッシャーの多くは〈ただ単に天然で、そこに存在しているだけで男たちに愛されてしま〉う「無意識型」だが、著者は「意識型」、つまり〈意図的に相手が自分のことを好きになるよう仕向ける〉策士だった。

 彼女が意識してサークルクラッシャーとして活動していた目的は、〈相手が好きになってくれたという事実が欲しい、ひとまずはそれだけ〉である。母親との関係から「優しさに飢えていた」という彼女は、〈幼い頃から抱え続けた「誰かに優しくされたい」という承認欲求〉を満たす手段としてサークルクラッシャーとなった。だから著者は「自分をまるごと受け入れようとする相手には必ず裏がある」と知っていた。「先生」に引っかからなかったのは、そのためなのだ。

 ここで著者の話の裏を返せば、岡田斗司夫の愛人騒動というのは何も女性だけの問題ではない、ということだろう。騒動時には「愛人になる女がアホ」という意見が散見されたが、著者のような確信犯のサークルクラッシャーがこの世に存在するわけで、そうなれば男だって承認欲求を満たすためのオモチャになってしまう可能性がある。

 しかも著者の体験談を読むと、サークルクラッシャーに引っかかる「クラッシャられ」の数はかなり多いと思われる。彼らは〈恋愛を含む人間関係全般についての経験が極めて乏しく、そのため傷つくことを過剰に恐れ、受け身がちな態度となってしまった男性〉であり、確信犯である著者のような女性の手にかかれば、早ければたった1日であっさり愛を告白してしまう。

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