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東京五輪エンブレム「原案」公開で新疑惑…佐野研二郎が説明していたコンセプトは嘘だった! 出来レース説も再燃

 しかしこれは審査段階で複数の審査委員が見ているのだから、ありえないだろう。

 とすると、考えられる可能性はひとつ。もともとちがう発想でエンブレムをつくっていたのに、途中でまったく別のデザインにつくり直し、後付けでコンセプトをくっつけたということだ。

 素人から見ると、「え、コンセプトってそんないい加減なものでいいの?」とびっくりするが、実際、デザイン業界のコンセプトというのはこういうものらしい。

「最近の広告業界では、デザインそのものよりも文脈のほうが重要視される傾向にあり、説明能力の高いデザイナーが重宝される。でも、実際はデザインなんてコンセプトありきでロジカルにつくれるもんじゃない。だから、なんとなくいろんな形をつくってみたり、アシスタントにアイデアを出させて、どれを採用するかを決めてから、後付けで無理矢理、理屈をくっつけるんです」(広告業界関係者)

 しかし、今回に関しては、話は別だろう。佐野氏の原案は東京五輪という国民の税金も投入される世界的な公共イベントのエンブレムコンペで104点の中から選ばれたものだった。それを、選考後にコンセプトからしてまったくちがうものにつくりかえ、あたかも最初からのコンセプトであったかのように演出したのだ。そんなことが許されるのだろうか。

 疑問はコンペそのものにも注がれている。そもそも、コンペ選考後にコンセプトのまったくちがうデザインに変更することが可能なら、そのコンペに意味がないからだ。実際、修正を加えた最終案については、8人の審査委員のうち1人が「真剣に検討し、選んだのは原案だった」として承諾しなかったという。

 そんなところから、“出来レース”説も再燃している。もともと、ネットでは佐野氏の採用について、身内の情実採用ではないかという疑惑が広がっていた。

 根拠となったのは、まず、コンペの審査委員長が札幌冬季五輪のデザイナーである永井一正氏だったことだ。永井氏の子息は佐野氏と同じ多摩美術大学出身で、博報堂を経て同美大の教授に着任しているのだが、佐野氏も同じように博報堂から多摩美教授に就任している。また、審査員には、博報堂時代の佐野氏の部下だった長嶋りかこ氏も入っており、彼女が「毎日デザイン賞」を受賞したとき、佐野氏が調査委員をつとめていたことも指摘された。

 さらに、佐野氏は日本ラグビー協会のポスターも受注しており、森喜朗会長とも接点があること、佐野氏の実兄が経産省の商務情報政策局情報経済課長であることも取沙汰され、「政府からの根回しもあったのではないか」という噂まで流れた。

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