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新国立競技場「白紙」宣言の安倍首相に親分・森喜朗が「おまえもいっただろ」と責任追及

 さらに、「文科相の下村博文さんと猪瀬さんはこの問題で3~4回会ってますよ」と言い、国と東京都の関係悪化の原因はふたりにあると言明。しかも、「あの2人は会う度にそれぞれが自分の手柄のようにアナウンスするからカチンとくる」と、この期に及んでなお“オレが五輪のリーダー”と主張。当然、舛添都知事についても「ものすごく頭の良い人だから記者にペチャクチャと学者みたいなことを言ってたら混乱する」とダメ出しを忘れない。

 しかし、最大の注目点は、安倍首相の責任について語った箇所だ。

「2013年9月のブエノスアイレスのIOC総会で日本に投票した委員は「日本はこんなすごいものを造るのか」となった。それに安倍晋三首相は「他のどんな競技場とも似ていない真新しいスタジアムから確かな財源措置に至るまで、その確実な実行が確証されている」と演説して大拍手だったわけよ」

 たしかに、安倍首相は最終プレゼンテーションのスピーチで、あの世紀の大ウソ「汚染水は完全にブロックされています」「状況はコントロールされています」とともに競技場についてもそうぶち上げていた。「どんな競技場とも似ていない」ザハ案を、安倍首相は大喜びで受け入れ、世界に誇っていたのである。

 この森元首相のツッコミはもっともではあるものの、「お前が言うな」感は拭えない。インタビューでは「僕も無報酬だよ。わずかばかりの議員年金は家内に渡してね。日当は手をつけず組織委のメンバー全員の盆と暮れの打ち上げ代に貯めてるんです」などと殊勝なことを言っているが、既報の通り、森元首相は“五輪利権”の窓口とも噂される人物。そして、これまで森元首相がやりたい放題やってきたことに手を貸してきたのは、ほかでもない安倍首相だ。

 責任を追及されると他人にすべてを被せる元首相と、強行採決という最悪の事態を引き起こしながらイメージアップのために計画の白紙撤回をダシに使う現首相。──新旧ともに、見苦しさは当代随一である。
(水井多賀子)

最終更新:2015.07.18 06:03

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