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自衛隊員への遺書強制だけではない! 安保法制にあわせ自衛隊が“戦死”前提の調査実施

 日本は過去の戦争においても、徴兵や激戦区に送る兵士をその属性などで選別してきた。時期によって異なるが、明治時代には長男や戸主、開拓地の住民、身長、医学生、官吏などが免役、猶予の対象となった。第二次大戦の学徒動員にしても、主に文科系の学生が動員され、理系の学生は兵器開発などに必要とされ、適用されなかった。

 つまり、これと同じように、今度は親や兄弟までの詳細な調査をすることで、自衛官たちが海外派兵に適しているかどうかを選別しようとしているらしいのだ。しかも、政府見解と同様、何の説明もしないまま真実を隠して──。

 同書では他にも、自衛隊内で日米vs.中国戦争の可能性が具体的に話題に上っている事実など、安保法制をめぐる現場の混乱と不安が複数紹介されている。

 しかし、それは当然だろう。先日、本サイトでも自衛隊元統合幕僚長の齋藤隆が「安保法制を通すなら戦死議論をすべき」と主張していることを報じたが、この“戦死”こそ安保法制の“本質”なのだ。

 この現実から目を背けたままで安保法制論議などあり得ない。ぜひ、本書を読んで、“戦死”問題を改めて“自分ごと”として考えてもらいたい。
(伊勢崎馨)

最終更新:2015.07.11 03:04

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