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マツコと蛭子さん、人生相談の回答力はどっちが上? 意外に普通のマツコ、蛭子さんは…

 ……この、なぜか妙に説得されてしまう回答力。たしかに、「浮気性の夫に悩まされています」(39歳・主婦)なる相談に、「あっ、これはあなたに魅力がないからです。離婚したほうがいいですよ。しっかりお金をもらって」と言い切ったり、“同居する72歳の姑が私にきつくあたってくる”(43歳主婦)という相談に、「いっそのこと「早く死んでくれ」と祈ってみるのはどうですか」と提案する様には、マツコのような親身さはカケラもない。ついでにいえば、「25歳のときに、女房を借金のカタにして、競艇する金を作ろうとしたことがあるんです。残念ながら、どこの金融業者も貸してくれなかったんですけどね」などと非道な話も蛭子さんはさらっと披露してしまう。しかし、どちらが人生相談の回答としてスッキリし、かつ面白いかといえば、俄然、蛭子さんのほうだ。

 そう。マツコと蛭子さんの大きな違いは、モラルに縛られているかどうか、だ。つねづね「モラリスト」であることをマツコは自称するが、これはきっとほんとうで、マツコは世の倫理的な線引きからはみ出た回答はしない。他方、蛭子さんは世間一般の常識にとらわれない、モラルに頓着しない生き方ゆえ、こうした忌憚のない回答を放つことができるのだろう。

 さらにいえば、蛭子さんの回答には信念のようなものも感じられる。たとえば、「憲法改正、集団的自衛権など、選挙で圧勝した安倍政権は、日本をどんどん戦争ができる国にしようとしている気がします」と不安を募らせる53歳主婦の相談には、「とにかくオレがいちばん大事にしている「自由」を奪ってしまう戦争は、絶対に反対ですね。「イスラム国」や「タリバン」などが恐ろしいことをしているけど、日本でも空気がちょっと変わることで、同じようなことが起きるかもしれませんよね」ときっぱり戦争にNOと言い、「もし、あなたが怖い世の中になっていると思ったら、政治を変えるのは選挙だけではないから、ネットで発信したり、デモに参加したりしてみたらどうですか」とアドバイス。

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