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本も読まず生徒の気持ちに気づかず言い訳ばかり…“モンスター教師”たちの残念な実態

 さらに、忙しさへの言い訳は自己愛にさえ昇華されてしまうという。

「労働基準法の規定と比較して『自分の生活は忙しすぎる』とか、『自分は頑張っている』という認識を抱きやすい。それが積み重なっていくうちに、自己の技量の低さを無視するようになり、自己の存在を当然視するようになる。そうなると、もう成長は見込めず、他人が何を言っても言い訳をして自己研鑽しないモンスター・ティーチャーが生まれる」

 本書に書かれているそんなダメ教師の具体的エピソードを読むと、生徒のことが気の毒になってくる。たとえば、長期欠席や保健室登校を繰り返す女子高校生が勇気を振り絞り、授業に出た時のことだ。

「彼女が欠席していたことは、出席簿にも記されているはずだし、教員自身の記憶にあって当然だが、机間指導(教員が机の間を歩いて回る指導のこと)中、その生徒が解答できないのを発見した中年男性教員は「なんでできひんのや。こないだやったばかりやろ!」と怒鳴り散らしたという」

 女子生徒が再び授業から遠のいてしまったのも当然だろう。さらに教師が生徒から集めた課題のデータを自分の過失で紛失したにもかかわらず、「パソコンのデータが消えた」とウソをついた女性教師、怒鳴り散らし威圧して授業を進める男性教師、ボソボソと何を話しているのかさえ分からない授業を繰り返す教師など、教師の劣化、鈍感さ、自己正当化は目を覆うばかりのようだ。

 また、社会的にも大きな注目を浴びた大阪市立桜宮高等学校で起こったバスケットボール部顧問の暴行による生徒の自殺について、その背景をこう指摘する。

「これほどのモンスター・ティーチャーを他の教員が止めようとしなかったのは、一般社会の常識に照らして極めて異常といっていい。(略)(その理由は)それぞれの教員が持つ自己保身の感情が、同僚の担当領域に踏み込んでまで関係を悪くしたくないと思わせ、見て見ぬ振りをしたという心理構造である」

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