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『モテキ』はサブカルではない! 3人のオヤジミュージシャンが嘆くサブカルの変質

「サブカル」に属するにあたって、このように膨大な知識を重要視しているのはロマン優光氏だけではない。大槻ケンヂ『サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法』(白夜書房)での、大槻ケンヂ氏と、前述の宇多丸氏との対談でもこのようなことが述べられている。

宇多丸「過去の蓄積と継承っていうことを、それなりにリスペクトしているのがサブカルの人って感じはしますよね。今の即物的なオタクの人たちって、『好きなものが好き』というだけでしょ。それって僕らの知っているサブカルとは態度として違うじゃないですか(後略)」
大槻「そう、どこかで遮断されたの。映画にしろ音楽にしろ、好きなジャンルがあったら過去にさかのぼって歴史をたどるっていう文化が綿々とあったはずなんだけど、それがどこかのタイミングで『今、面白ければいいじゃないですか』になっちゃった」

 対談の中で大槻氏が「『サブカルって要は説教オヤジなの?』って思われちゃいそうだけど(笑)」とも語っているが、かつてのサブカルには、知識を体系化しようというある種の歴史学的なアプローチがあったのは事実。時代の移り変わりにより、こうした視点がなくなってしまうとしたら寂しいことである。
(新田 樹)

最終更新:2015.06.30 07:29

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