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都構想の否決を「シルバーデモクラシー」と批判する人の正体

「情弱の高齢者が都構想をツブした」というデマをふりまく知識人達よ、情弱はお前らだ!

 大阪市の26年度人口統計によれば、70歳以上の人口は約48万人。これに対して、20代の32万人と30代の38万人をあわせただけでも、70万人と大きく上回り、さらに40〜60代を足せば約176万人と4倍近くになる。つまり70代以上の人間が全員投票に行って、出口調査通り61%(朝日・ABC共同出口調査より)が都構想に反対したとしても、それ以外の世代の半分が投票に行き56%賛成に回るだけで逆転できるのだ。これのどこが「老人による老人のための政治」ということになるのか。

 こう言うと、彼らは若年層の投票率が著しく低いから彼らの意見が反映されないと言う。じゃあ聞くが、棄権した若年層が投票に行ったとして、実際の投票者と同じ比率で都構想に賛成するという根拠はなんなのか。ちなみに5月はじめに産経新聞社が実施した世論調査では、20代の男性で賛成33.3%に対し、反対が46.4%。20代の女性となると、賛成17.1%に対し反対はなんと60%! 全世代の中で20代女性がダントツに反対意見が強かったのだ。

 この数字をベースにすれば、むしろ、投票に積極的に行ったのは賛成派が多く、20代の投票率が上がっていれば、逆にこの世代でも反対派が逆転したと考えることもできる。

 しかも、投票所に実際に足を運んだ若い世代にかぎっても、70%とか80%が賛成しているわけでなく、20代は賛成61%。つまり39%が反対を表明しているのだ(前出・出口調査より)。

 ようするに連中は、自分たちが支持する橋下市政と「都構想」が否決された腹いせになんの根拠もない印象批評で世代対決があったとのデマをふりまき、高齢者に責任を押し付けているだけなのである。

 実際、「都構想否決は老人のせい」とわめいている知識人や評論家は、ほとんどが橋下市長と同じ構造改革派、新自由主義者だ。

 ホリエモンや池田信夫氏はいわずもがな、小泉進次郎氏の父親は構造改革派の中興の祖ともいえる存在だし、ちきりん氏も大手金融、外資系コンサルを渡り歩いてきたそういうショーバイの人だ(唯一、宇野常寛氏の場合はたんに“世代間断絶”を煽ってメシの種にしているだけで、明確な新自由主義者とはいえないが)。

 富める者はもっと富み、貧しい者はさらに貧しくなる弱肉強食社会こそが経済を活性化すると考える彼らは、規制緩和を進め、教育や医療、福祉の予算を削り、カジノなどの富裕層向けのプロジェクトに金を投入しようという橋下に、改革という名の格差助長政策を進めてもらいたくてしようがなかった。

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