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“女子の刀剣萌え”に騙されるな! 日本刀ブームとネトウヨの根っこは同じだ

別冊宝島ムック『日本刀 至極の名刀92振りの足跡を辿る』(宝島社)

 今、日本刀が空前の大ブームとなっているらしい。刀剣を扱った本やムックもバカ売れしているとネットニュースで話題になっている。これはやっぱりあれなのだろうか。世の“右傾化”というヤツと関係しているのだろうか。

 たしかに、日本刀は右翼思想との結びつきが非常に強い。たとえば戦中、靖国神社では、靖国刀と呼ばれる軍刀が造られ、陸軍将校らに供給されていた。これは日本刀の復活を唱えた陸軍の希望によるものだったと言われている。

 戦後も、三島由紀夫が陸上自衛隊東部方面総監部に乗り込みクーデターを狙った事件の際、愛蔵の日本刀を身につけていたのは有名な話だ。帯刀していたのは関孫六という軍刀仕様の日本刀で、三島の切腹にあたって介錯にも使われた。

 近年の草の根右翼と呼ばれる人々も、日本刀との関係が取りざたされる事案がしばしば見られる。

 たとえば、2003年、外務省で日朝国交正常化交渉を担当していた審議官・田中均氏の自宅に時限爆発物が仕掛けられた事件があったが、犯人の「建国義勇軍」「国賊征伐隊」を名乗る右翼グループには、「刀剣友の会」という日本刀の愛好団体の会員が数多く参加しており、会長を務める男性が逮捕された。

 ほかにも、08年には、東京・赤坂の米国大使館前の路上で、男が日本刀を振り回し、銃刀法違反で逮捕されたことがあった。男は右翼団体の構成員を自称していたと報じられている。

 実際、今年1月に発売されたムック『日本刀 至極の名刀92振りの足跡を辿る』(宝島社)を読んでみると、こんなリードが書かれていた。

「神話の時代から、日本民族の守りの象徴として剣が存在してきた」
「しかし今に生きる私たちは感じることができるのだろうか。先人が遺した刀に込められたメッセージを。粋で洗練された、古来日本人が持つ魂を」
「私たちは忘れてはいないだろうか。長い間培われてきた日本の高い美意識を」

 つまり、右翼思想がどんどん薄まりながら広まって大量のネトウヨをつくりだしたみたいに、一部の右翼が愛好していた日本刀がネトウヨたちにうっすらと浸透し、ブームになっているということではないのか。そんな疑念がアタマから離れないのだ。

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