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吉田豪が『殉愛』『殉愛の真実』読み比べ! マスコミの百田タブーに直面した体験も告白

 この他にも、吉田は『殉愛』と『殉愛の真実』についてさまざまなユニークな読み方を披露してくれているが、一番興味深かったのは、メディアの『殉愛』タブーについて触れているくだりだ。実は、吉田自身がこのタブーにけっこう直面していたらしい。

「『アエラ』で書評を書いた時も大変でした。『絶対うまくやるから書かせてください』と闘いましたから(笑)。別の雑誌でも『殉愛』とAKB48の話題を出したいと言うと、メディアによって反応が違う。それを確かめるのも面白かったですね」

 百田が連載小説をしている『週刊文春』(文藝春秋)の阿川佐和子対談に出た際も、わざわざ百田の名前を出して、その反応を伺うという実験までしたという。さらに某テレビ局ではこんなやりとりもあったという。

「『百田ネタをやりたいが、いろいろ難しい』と言われたので、どうしたらできるかと聞いたら『百田さんがビジネス的に利用価値がないと思われたときですね』と。マスコミは怖いですよ」

 実体験としての作家タブーを暴露してくれる吉田。そのうえで、今回の『殉愛』騒動のベースにあるものとして、在阪テレビ局の体質を指摘する。上沼恵美子の番組にレギュラー出演した経験もあり、一度やしきたかじん本人に取材をしたこともある吉田はその時の経験から今回の騒動を読み説くのだ。

「二大巨頭(たかじんと上沼)に対する気の使い方は異常でした。上沼さんの番組が決まった時、スタッフから接し方についてまず注意を受けたし、『その人の話は上沼さんが本当に嫌っているからしないでください』とかのストップも入る」

 たかじんに取材したときも、酒を飲みながら取材に応じるたかじんの周りをスタッフ30〜40人くらいが取り囲み、たかじんが何か喋るたびに「ワッ」と笑うような異様な空間だったという。

「そういう過剰な気遣いの果てに『殉愛騒動』があるのかなと」

 そんな吉田だが、『殉愛』にはまだまだ興味を失っていないようで、さくら夫人と百田に取材申請までしているらしい。曰く「さくら夫人が『吉田のインタビューを受けろ』というたかじんのメモを出してきてくれたら」と語る吉田。

 たしかに、吉田のインタビューが実現したら、おそらく『殉愛』よりも100倍おもしろいものになるだろう。まあ、たぶん無理だろうけど(笑)。
(林グンマ)

最終更新:2017.12.19 10:30

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