にわかには信じがたい証言の連続だが、記事にはもっとディープな告発も掲載されている。この告発を取材し、記事にしたノンフィクションライターの中村淳彦氏はこう話す。
「昨年の末に、女性の労働相談を担当しているNPOの理事長から連絡があって、紹介されたんですが、正直、驚きました。僕もブラック企業の取材をしているので、セクハラの話はよく聞きますが、こんな有名企業で、ここまで会社ぐるみというのはあまり例がない。しかも、パソナは女性の働きやすさを前面に出している会社ですからね」
実は、パソナ・南部代表についてはグループがテンポラリーセンターという社名だった1989年、「週刊テーミス」(8 月2日号/現在は会員月刊誌)でこんな女子社員の告発を掲載したこともある。
「社内で、いきなり女の子に抱きつくんだ。『スキンシップだ』とかいって」
「やらせる子には、ボーナス時に、50~60万円余計に出す」
「オフィスのなかで、平気でスカートをめくったり、胸やオシリさわったりしますからね」
こういう体質が今も残り、「仁風林」接待、そしてASKAと栩内被告の関係につながったということなのだろうか。
「実話BUNKAタブー」で告発した3人は「栩内さんはパソナグループの別の会社の人で、事件になるまで知らなかった」というが、自分たちの体験からこんな推測をしている。
「就活から女性を吟味して、常務みたいなのが部下を慰安婦みたいに育てて、出来上がったところで、仁風林要員なんだと思う」
ちなみに、パソナグループの会長である竹中平蔵氏はこうしたセクハラ社風についてどこまで関与しているのかこの記事だけではわからない。しかし、竹中氏といえば今年1月1日放送の「朝まで生テレビ!元旦スペシャル」(テレビ朝日系)で、労働規制緩和を推進すべく、「正社員をなくしましょう」と息巻き、ネット上で大いに問題視された。
竹中氏はまず「正社員」ではなく、自らの社内に「性社員」をなくす努力をすべきではないだろうか。
(小石川シンイチ)
最終更新:2017.12.19 10:30