また、学生の基礎的な学力を見るための算数や国語のテストが行われるが、この結果についても学歴が大きく左右するという。前出『なぜ7割の~』では、大手菓子メーカーの人事部社員が、「有名大学だと(補足:算数や国語の試験結果が)やや低めでも通し、一般大学だと、かなり高めではないと通さない」と明かしている。つまり、「大学名×試験結果」の“合わせ技”で判別しており、偏差値の低い大学の学生は、就職試験で高得点をマークしても、無駄になってしまうこともあるというわけだ。
では、中堅以下の大学に通う学生たちは、何を頑張って就職試験に挑めば良いのだろうか? ここで思いつくのが、面接だ。学力がダメなら、面接で直接自分をアピールすればいいということだ。
学生のなかには、就職面接でアピールする材料を集めるために、サークルで「〇〇長」といった役職に就いたり、NPO法人で一生懸命ボランティア活動に勤しんだりといった努力を重ねるケースも多いかもしれない。しかし、残念ながらこれもまた無駄になってしまう可能性が高いという。
『なぜ7割の~』では、そんな学生たちの努力について、「学生は何とか役職や肩書を言わなければと、本当に些細な集まりの話などをするため、もう、こうした〇〇長はインフレを起こして、聞く側は胸焼けを起こしているほどです」とバッサリ。そして、学生が面接ですべきことは「別に大げさな話でなくてよいから『自分はどんなタイプの人間なのか』をしっかりと表現すること」だと説明している。つまり、学生の“俺、凄いんだぜ”アピールはまったく意味がないのだ。大学が一流ではないからといって、そのビハインドを補うために必死になってイベントサークルのリーダーを買って出ている学生は、どうかこの現実を受け止めていただきたい。
また、学歴差別同様に根深いのが、女性差別の問題。やはり女性は出産や育児で長期休暇をとる可能性があるということもあり、企業としては採用しにくいと考えがちなのだ。
しかし、その一方で「(社内)評価が高いのはみな、女子ばかり」と話す採用担当者も多いという。女子学生のほうが評価が高いのに、どうして男子学生のほうが多く採用されるのか?と疑問に思うが、実はなんとも悲しい裏があるのだ。
『なぜ7割の~』では、女子社員が優秀な理由について、こう説明している。「女子はよほど優秀でないと採用されないから」。つまり、同じレベルの男女の学生がいたら、男子は採用、女子は不採用、といったことがよくあるのだ。その結果、採用された女子はかなりレベルが高い人材ばかりとなり、相対的に男子より高評価となる。男女雇用機会均等法の形骸化も甚だしいところだ。