その複雑さから利権の巣窟になりやすい租税特別措置、一度は見直しがされた。
「民主党政権時代の二〇一〇年、峰崎直樹財務副大臣の強力な主導により『租税特別措置透明化法』が成立した。このような対策がとられるのは、租税特別措置は税制という毛皮をかぶった補助金であり、ひとたび悪用されればたちまち利権の巣窟になるからである」
しかし、この透明化法による改革も、財界・業界、財務省主税局の猛反対で尻すぼみ。自民党政権に返り咲くと再びタックス・イーターの巣窟に戻ったのだ。前述の開業医の優遇税制も自民党とべったりの日本医師会の絶大な組織力があることが大きい。
メディアでは自民党、財界に都合のいい法人税引下げの議論だけが注目されるが、その陰で、利権の巣窟にひそむタックス・イーターが日本経済をむしばみ続けるのだ。
(小石川シンイチ)
最終更新:2018.10.18 01:43