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曽野綾子がアパルトヘイト発言で大炎上! でも安倍政権の移民政策も本質は同じ

 当然、ネットは「曽野綾子がアパルトヘイト肯定してる」「国連から制裁受けるレベルだわ」「『第9地区』みたいな世界を作りたいのか」「バカな外国人を二級市民として日本に入れて低賃金で雇ってあげてスラムに押し込めようって」「曽野綾子氏、介護職をバカにしすぎ」といった批判であふれかえった。
 
 問題は曽野の文章を掲載した産経新聞にも飛び火し、「これをそのまま掲載する産経新聞て」「アパルトヘイト良いよねというオピニオンが全国紙に載るのもスゴい」「産経新聞、恥を知れ」といった非難が殺到している。

 ただ、これまでの曽野の姿勢を見ていると、こうした発言が飛び出すのは全く不思議ではない。人種隔離政策についても過去に何度も口にしているし、本サイトでも指摘したように、これまでも弱者を差別し、貧困層を蔑視する発言を繰り返してきた。

 産休制度を利用する女性社員を「迷惑千万」と切り捨て、エリート男性のセクハラを全面肯定し、中越地震や東日本大震災の被害者を国に頼り過ぎだと叱る……。世間では何かの識者のように誤解されているが、その思想は、自分の事を完全に棚上げして、ネットや路上で弱者叩きと、女性叩き、マイノリティ差別をわめき続けているネトウヨとほとんど変わりはない。

 実際、昨年5月、「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」が書店員に対して「嫌中憎韓本」の販売状況を調査したところ、これらのヘイト本を購入する客層が「曽野綾子の読者層とほぼ一致する」との回答があったという。

 そういう意味では、今回のアパルトヘイト発言も介護職蔑視もまさに“らしい”発言といえるのだが、しかしだからといって、「やれやれ」と冷笑してすませることができないのは、彼女がそのへんのネトウヨとは比べ物にならない影響力をもっているからだ。

 曽野綾子はこれまでもさまざまな公職についてきたが、2013年から安倍政権の教育再生実行会議の委員を務め、昨年には、道徳教育の教科化をにらんで文部科学省が配布した教材『私たちの道徳』の「誠実」の項目で取り上げられている。ようするに、この国は、アパルトヘイトを肯定する人物を道徳の教科書に載せて「誠実」の手本にしているのだ。もはや狂ってるとしか思えないが、実は、移民政策についても、安倍政権がやろうとしていることは、今回、曽野の主張した移民隔離=アパルトヘイトと本質の部分で完全にシンクロしている。

 安倍首相は昨年4月、経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議の席上で、まさに今回の曽野と同様、介護や家事の分野に外国人労働者を受け入れるよう各方面に指示した。

 ところが、これを受けて政府が打ち出したのは外国人労働者使い捨てともいえる制度だった。

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