一方、ポン酢やめんつゆは気になる原材料が使用されていることが多い。「昆布ぽん酢」(ヤマサ醤油)には、お馴染みの「調味料(アミノ酸等)」のほか、「香料、増粘剤(加工でん粉)、酸味料」が使用されており、特に増粘剤の加工でん粉のなかには、「尿からのカルシウム排泄を促進する働きがあるほか、腎臓にカルシウムを沈着させるものもある」といい、尿路結石の原因になる可能性が高い添加物なのだ。
ヤマキ醸造の「めんつゆ」には「たん白加水分解物」が使用されており、「2プロパンパンジオール(3−MCPD)」等が含まれているが、これが厄介。「雄雌それぞれ25匹のラットに約2年間、3−MCPDを与えて飼育したところ、投与量に関わらずすべての雄ラットの精巣に強い変容・萎縮が認められた」というから恐ろしい。
本書のなかでも特に“使用を控えたほうがよい”と判断されているのが、チューブ系だ。「本わさび」(エスビー食品)は添加物が複数使用されている。そのなかでも、「甘味料であるソルビットは、下痢、栄養剤、浣腸液などの医療用とにも使われている物質です。しかしWHOなどが作成した『国際化学物質安全性カード』には、経口摂取した場合に胃痙攣や腹痛、下痢などの急性症状が起きる場合があると記載されています」とあり、不安だらけだ。
さらに「特選本香り生しょうが」(ハウス食品)も添加物がたくさん。あのしょうがの香りも、香料の力だというのだ。
この“添加物の複数使用”が懸念事項だと、郡司氏は言う。
「添加物単体での不安に加え、相乗毒性の懸念が出てきます」
「なかには添加物同士が反応して発がん性物質を発生させるものもあります」
ようは、いくつかの添加物が組み合わさることで、悪い効果が出てくるというのだ。たとえば、こんな組み合わせが危ないらしい。
「ハム・ソーセージや明太子などに使われる発色剤(亜硝酸塩)と保存料(ソルビン酸)を一緒に使うと、発がん性物質のニトロソ化合物が発生」
「酸化防止剤のアスコルビン酸(合成ビタミンC)と保存料(安息香酸)では発がん性物質のベンゼンが生成」
食卓を盛り上げる調味料の数々だが、毎日使うものだからこそ、原材料をよく見極めて使用していきたいものだ。
(羽屋川ふみ)
最終更新:2017.12.13 09:14