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年末特別企画 リテラの2014年振り返り

ほとんどブラック! カリスマ経営者のトンデモ経営哲学2014ワースト5

★第1位 京セラ創業者 稲盛和夫
「最初、運動会は自由参加でしたが、私は、参加しない人たちに対して烈火のごとく怒りました。その後は、運動会などは、任意参加ではなく全員参加にしたのです」
(『従業員をやる気にさせる7つのカギ 稲盛和夫の経営問答』/日本経済新聞出版社) 

 稲盛和夫といえば、京セラ・KDDIの創業者。2010年、78歳にして日本航空の再建を引き受け、会社更生法の適用から2年で営業利益2000億円というV字回復を成し遂げた。このため「名経営者」として、ビジネス書や人生論にも関心が集まっている。自らが塾長を務める勉強会「盛和塾」では中小企業の若手経営者を中心に9000人超が稲盛式経営を学び、実践しようとしている。『従業員をやる気にさせる7つのカギ 稲盛和夫の経営問答』はその「盛和塾」での塾生たちの悩みに答えた「経営問答」をまとめたものだ。
「社員に経営者意識を持ってもらうには」という塾生からの相談には「社員に権限を委譲する前に責任を持ってもらう」「経営の実態を社員みんなに公開する『ガラス張りの経営』」「大きなルールだけを決めて、『おまえ、ここを守れよ』と任せる」とアメーバ(小集団)経営の極意を説法している。
 タイトルの台詞は、「思い通りにいかない考え方の共有」を図るためにはどうしたらいいかという塾生からの相談に対する答えだ。「全員参加経営」を実現させることが経営の要諦だという稲盛は次のような経験を語る。
「心を一緒にするために、コンパなどを通じて一生懸命に私の思い、つまり京セラフィロソフィを話しました。人生とは何か、人間とはいかなるものか、どのような生き方をしていくべきかなど、思想や哲学を皆に共有してもらおうと思ったのです」
「中小零細企業ですから、皆が一生懸命働いており、就業時間内に集まる時間もありません。ですから、どうしても休日か、または夜に集まることになるわけです」
 当然ながら参加しない社員も出てくる。
「家族もありますから、日曜日まで会社の連中と行くのはおもしろくないわけです。安い弁当と焼酎をちょっと飲まされる程度の花見なら家族と一緒に行ったほうがいい」
「しかし、なるべくなら経営者の側に寄ってきたくないという社員こそが、経営者の考え方を教えなければならない人なのです。経営をしていると、誰が喜んで来るのか来ないのかがおそらくわかると思います」
 では、たとえば、運動会にこない社員をやる気にさせるためにはどうすべきか。どんなテクニックを使っているのかと思いきや、冒頭の一文のように「参加しない人たちに対して烈火のごとく怒りました。その後は、運動会などは、任意参加ではなく全員参加にした」のだというのだ。
 これってパワハラというか、完全に労働基準法違反だろう。 勉強会「盛和塾」では9000人超の若手経営者がこんな経営哲学を学んでいるというのだから、考えただけで空恐ろしくなる。


 いかがだっただろうか。「カリスマ経営者のトンデモ経営哲学2014ワースト5」。いずれにしても、こんなビジネス書が大手をふって流通しているわけだから、きたる2015年もブラック企業がますますはびこることは間違いないだろう。

 一層の監視が必要になりそうだ。
(小石川シンイチ)

最終更新:2018.10.18 03:23

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