AKBサイドとしてはまさに“伝家の宝刀”を抜いたかたちだが、それにしても、運営はなぜ、今回の件でここまで激怒したのだろうか。フライデーは現役メンバーのスキャンダルを報じたわけではない。脱退した元メンバーのヌードを掲載しただけである。
だが、1〜2年前くらいから、運営サイドはこの元メンバーのヌードやAV出演に対してものすごくナーバスになっているらしいのだ。
「運営はAKB人気が下降していることに焦っているんですよ。卒業した前田敦子や大島優子、板野友美といった元中心メンバーたちも、卒業後の活動はパッとしない。これで、元メンバーのヌードやAV出演が続出したら、AKBのブランドイメージが崩れて、三流のヨゴレの集団のようなイメージになってしまいかねない。そのため、メディアを必死で締め付けて、些細なマイナス記事も出ないようにしているんです」(芸能関係者)
実際、元AKBのグラビアモデルやAV嬢が次々登場しているにもかかわらず、御用メディアは、AKBサイドの許可をえないかぎり、掲載できない状態だという。
「フライデー」は昨年、やはり元AKBメンバーの成田梨紗のヌードを掲載しているが(8月16日号)、これは事前に運営に根回ししており、表紙や中吊り広告には「国民的アイドルグループ」としただけで、「AKB」の名前は一切伏せていた。
しかし、その「フライデー」は今回、なぜかそういった根回しをせず、しかも表紙に堂々と「元AKB48人気メンバー」と打った。その結果、運営の怒りを買ったわけだが、実はこの「フライデー」の変化にも、AKB人気の陰りが関係しているようだ。
「ずっとAKBを担当していて『友撮』シリーズをつくっていた編集者が異動になったというのもあるようですが、やはり大きいのは、AKBがあまり売り上げに結びつかなくなってきたことじゃないでしょうか。編集現場では『グラビアを掲載しても部数に結びつかないなら、文春のようにスキャンダルをやったほうがいい』という声も出てきているんです。そんな中で『元メンバーのヌードくらいならいいだろう』となったようです」(講談社関係者)
しかし売り上げが落ちたとはいえ、『総選挙ガイドブック』などがあげる収益はまだまだ大きく、最終的には講談社上層部が運営の抗議に屈してしまった。しかし、このままAKBの人気下落が進めば、運営の利権を使った縛りもどんどん効かなくなっていくだろう。
今回のヘアヌード掲載騒動はもしかしたらAKBメディア支配の「終わりのはじまり」かもしれない。
(田部祥太)
最終更新:2014.12.10 04:16