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橋下徹と在特会の対決はプロレス? 維新とヘイト極右団体の「接点」

 また、一連の発言の間に起きた朝日新聞バッシングに乗じて、「従軍慰安婦」発言以降、常態化している朝日・毎日批判もエスカレート。「僕は週刊朝日にヘイトスピーチをやられましたけども、あそこの団体(在特会)にやられたわけじゃない」「(慰安婦発言を)徹底してヒステリックに批判してきた毎日が急に(朝日に批判的な)論調に変えた。手のひらをかえすやり方は朝日以上に卑怯。必ずしっぺ返しをくらう」と口撃を強めている。

 そもそも前職の大阪府知事に就任以来、公務員に始まり、職員労組、教育委員会、議会や既存政党、自分に批判的なメディアや言論人など気に入らない相手を次々と標的にして、テレビカメラの前や街頭演説で罵詈雑言を浴びせたり、嘲笑したりすることで、聴衆の不満や憎悪を煽ってきたのは橋下市長自身だ。「既得権益」と見定めた者へのヘイトスピーチまがいの“言論活動”は、お手の物なのである。

 さらに、橋下市長率いる大阪維新の会の人脈に、在特会やその周辺の極右・排外主義者たちが連なっていることは大阪では周知の事実。安倍首相や山谷えり子・国家公安委員長と仲良く写真に収まっていた在特会関西支部の元幹部が立ち上げた「教育再生 地方議員百人と市民の会」(百人の会)には、維新の議員が複数関わっており、その仲立ちで、橋下市長の盟友である中原徹・大阪府教育長が講演を行なったりしている。

 百人の会は「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書採択運動と連動して設立された団体で、顧問には藤岡信勝・元東大教授、長谷川三千子・NHK経営委員、田母神俊雄・元航空幕僚長ら、錚々たる「その筋」の面々が名を連ねている。中原教育長は橋下市長の早大の同級生で弁護士。2年前、民間人校長として赴任していた府立高校の卒業式で「君が代」斉唱の口元チェックを行ない、橋下市長が「完璧なマネジメント」と賞賛した人物である。こうした周辺人脈を見るだけで、橋下市長と在特会の思想的類似は明らかだ。

「橋下さんは世間の反応を読む感覚が鋭い人ですから、さすがに在特会やヘイト団体と直接関わりを持つのは危ないと避けているかもしれませんが、政治的主張は極めて近い。慰安婦発言の時も『間違ったことは言ってない』と決して撤回しませんでしたからね」と言うのは、ある大阪市政担当記者。別の記者は「在特会との面会でも『行き過ぎた表現はダメだ』とクギを刺しつつ、主張そのものは否定しないという形で、ヘイトスピーチの加害者・被害者双方にいい顔をしようとするんじゃないですか」と見る。

 在特会との面会は、メディアへの全面公開を条件にする橋下市長と、非公開を要求する桜井会長との間で対立していたが、10月1日に桜井会長が〈日頃メディアとプロレスごっこに勤しむ市長の要求を受けいれる代わりに会談前そのメディアに対し一言物申すことで市側と合意しました〉とツイッターに書いていた。これによって実現へ動き出した模様で、日程は未定だが、今月半ば頃になる見通しだという。

 “直接対決”といっても実質的な意味はなく、互いに相手を自己宣伝に利用しようとするパフォーマンスの場になりそうだが、言動も思想も似た者同士の「プロレスごっこ」は、それなりに見ものではある。
(大黒仙介)

最終更新:2015.01.19 05:12

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