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元防衛官僚が証言! 集団的自衛権容認で戦争参加、徴兵制は現実になる!

『亡国の安保政策 安倍政権と「積極的平和主義」の罠』(岩波書店)

 201X年、米国はまたも同時多発テロに襲われた。ニューヨークやロサンゼルスなどの人口密集地で自爆テロとみられる大爆発が10カ所以上も発生、特にNYの地下鉄で起きた爆発は大規模な火災を誘発し、死傷者は計3000人を超えた。

 犯行グループはすぐに判明した。米軍撤退後のイラクで勢力を急速に伸ばした武装組織の一派が犯行声明を発したのだ。バラク・オバマの後を継いだ米大統領はホワイトハウスで会見し、次のように宣言した。

「我々は、暴虐なテロ行為の首謀者たちを決して許さない。どこまでも追いつめ、徹底的に殲滅する」

 以上はもちろん架空の話である。だが、イラクでは現在、イスラム教スンニ派の過激組織が支配地域を拡大し、米国が連日の空爆を実施している。これに反発する一派がテロ攻撃を仕掛け、米国が大規模な報復に出る可能性は十分にある。

 こうした事態が現実化した場合、国際社会では一体何が起こるか。国際法に反する軍事行動だと国連が自制を求めても、米国が聞く耳を持たないのは9・11後のアフガン、イラク侵攻の例を見れば明らかだ。逆に米国は各国に支持と支援を求めるだろう。

 なかでも同盟国には軍事行動への参加に向けた強烈な圧力が加えられる。当然ながら、日本もそのターゲットとなる。「ショウ・ザ・フラッグ」。「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」。そう督促されても、過去の日本政府は辛うじて米国の要求をはねつけてきた。というより、要求に応じることはできなかった。憲法9条の制約から集団的自衛権の行使は認められない。そのかわりに日本政府は米国の行動への支持表明や資金拠出、あるいは「非戦闘地域」への自衛隊派遣などでしのぎ、米国の側もこれに不満を覚えつつ、やむを得ないだろうと考えてきた。

 だが今後は違う。安倍政権は憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使容認を内外に宣言してしまった。たとえば米大統領は日本国首相との緊急電話会談で威圧的にこう迫るだろう。

「ならず者の卑劣な攻撃により、多数の米国民が犠牲になった。今後も同様のテロは起きかねず、我々は自衛のために行動を起こす。集団的自衛権の行使容認に踏み切った貴国も是非、我が国を守るための正義の戦いに加わってほしい。これに応じない場合、信頼と相互依存にもとづく同盟関係は危機的状況に陥る」

 これを日本は突っぱねられるか。答えは明確に「ノー」だ。

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