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【左巻き書店からの緊急のおしらせ】

朝日の慰安婦報道問題で大喜びしているネトウヨに告ぐ!

 こうした農村の惨状を救済することも重大な背景として、1936年に起きたのが、陸軍青年将校によって「昭和維新」を掲げるクーデター二・二六事件である。「(青年将校たちは)資本主義の日本的発展の中に内包された不均衡という現実をもっとも身に感じた人たちであり、とくにその犠牲者である農民の窮乏に切実な同情をよせないわけにはいかなかった。青年将校の執筆した論文に『軍服の農民の苦悩を知り、軍服の農民の魂を攫み軍服の農民を握る』青年将校こそ「われら熱と誠心の初年兵教育に彼らの魂を攫み彼らの胸奥を知っているのだ』と書いてある。」(高橋正衛『二・二六事件』中公新書)つまり、身売りされた娘とは兵士たちの家族なのだ。

 事件は、蔵相をはじめとする政府要人を暗殺し、首相官邸、警視庁などを占拠したが、昭和天皇の怒りを買い、反乱軍として鎮圧された。

 この二・二六青年将校に熱いシンパシーを抱いたのが三島由紀夫。二・二六事件三部作のひとつで、代表作といっても過言ではない『憂国』の映画化にあたっては監督・主演をつとめたほどだ。

『英霊の聲』では、二・二六兵士が降霊して霊媒者の口を借りて語る。「そのとき玉穂なす瑞穂の国は荒蕪の地と化し、民は餓えに泣き、女児は売られ、大君のしろしめす王土は死に充ちていた。」そして決起によって「ふるさとの悲しめる父母、悲しめる姉妹の救済」をはかった、と。

 ネトウヨたちを1936年の雪の降りしきる2月26日の東京に連れて行ってやりたいよ。そこで「おまえらの姉妹は、法に基づいて自分の意思で売春婦になり結構稼いでるのに、国を批判するなんて、反日行為だ」といつもの主張を叫んでみるがいい。即座に銃殺だろうぜ。

 こんなネトウヨの戯れ言を放置している様を見ていると、いまの日本ではリベラルが頼りないのはもちろん、二・二六に思いを馳せるようなまともな保守論客もいないんだろうな。

 ネトウヨの「売春婦」発言をみれば、歴史的現実への無知だけでなく、過去の事象に対しても現在の価値観と表象を読み込んでしまう「戦後民主主義ボケ」は明らかだ。

 問題の本質を些事にこだわって隠蔽させるな。人間が殺しあう戦争には反対する。戦争を遂行するために、女性を戦場において兵士の性欲を処理に従事させることは許されない。人命と人間の尊厳は尊重されるべきだ。だから、従軍慰安婦の存在を肯定する言論は許容できない。――単にそれだけのことだ。

 過去の戦争を正当化することによって、また新たな戦争が正しく必要なものとして求められている時代が今だ。ただただ愚直な反戦の論理だけを響かせろ。
(左巻き書店店主・赤井歪)

●左巻き書店とは……ものすごい勢いで左に巻いている店主が、ぬるい戦後民主主義ではなく本物の左翼思想を読者に知らしめたいと本サイト・リテラの片隅に設けた幻の書店である。

最終更新:2018.09.27 01:12

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