『コンビニの買ってはいけない食品 買ってもいい食品』(大和書房)
上海の食品会社が使用期限切れの鶏肉を使っていたことから発覚した中国産食材問題は、中国産食品の危険性を改めて浮き彫りにした。国内でも、輸入して「ナゲット」として販売していた日本のマクドナルドやコンビニエンスストアへの影響も大きい。コンビニエンスストアのファミリーマートは今後の中国産食材の調達について「日本企業の資本が入っているような、厳格な品質管理体制が行き届いた取引先に変更することを検討していく」(広報・IR部)と厳選する方向で見直しを進めるという。
が、それでも決して安心してはいけないのがコンビニだ。コンビニに並ぶ食品の多くは中国産であるとないとにかかわらず、ヤバい商品が多いのだ。
「店に入ると、カップラーメンが山のように積まれ、プラスチックの容器に入った添加物タップリのお弁当やパスタ、おにぎり、サンドイッチ、菓子パン、ケーキ、ポテトチップスと、まさしくジャンクフードのオンパレードという感があります。これらはいずれも、『買ってはいけない』といいたくなるものばかりです」というのは、『コンビニの買ってはいけない食品 買ってもいい食品』(渡辺雄二/大和書房)。
『新・買ってはいけない』(金曜日)シリーズを刊行してきた科学ジャーナリストの渡辺氏は、コンビニにひそむ食の危険性を指摘する。
まずは、簡単に食べられるおにぎりや手巻き寿司だが、「ご飯が製造機械に付着するのを防ぎ、また保湿や保存のために植物油(ナタネ油やコーン油など)」が混ぜられている上に、多くのおにぎりに防腐効果のある添加物「pH調整剤」が保存料の代わりに使われている。
「pH調整剤は、酢酸やクエン酸などの酸がほとんどです。お酢でもわかるように、酸には殺菌効果があります。そのため、保存性を高めることができるのですが、酸のなかには、口や胃の粘膜を刺激するものがあります」(同書より)
「明太子」「焼たらこ」おにぎりには、赤みを強調するために発色剤の亜硝酸Naが添加されているが、「亜硝酸Naは、魚卵や肉に多くふくまれるアミンという物質と化学反応をおこして、ニトロソアミンという発がん性物質に変化します」。なお、亜硝酸Naはウィンナーソーセージやハム、ベーコンにも含まれていることも多い。
手巻き寿司「ねぎとろ」には、ピンク色を強調するために天然系のコチニール色素やクチナシ色素が使われている。天然系とはいえ、元は昆虫だ。
「コチニール色素は南米に生息するカイガラムシ科のエンジ虫という昆虫を乾燥させて、お湯または温めたエチルアルコールで抽出したものです(中略)コチニール色素を3%混ぜたえさをラット(実験用白ネズミ)に13週間食べさせた実験では、コレステロールや中性脂肪がふえました。つまり、動脈硬化になりやすくなったということです。また、クチナシ色素は、青、赤、黄の3種類ありますが、クチナシ黄色素の場合、ラットに大量に口から与えた実験では、下痢をおこし、肝臓が出血して、それにともなう肝細胞の変性と壊死が見られました。クチナシ黄色素にふくまれるゲニポシドという物質が腸の中で変化して、こうした害を起こしたと考えられています」(同書より)