海外旅行先で体調が悪くなったとき、あなたは体のどこが痛いか、持病は何かなど説明できるだろうか。知らないと文字通り命取りになるが、体や病気にまつわる単語も、ほとんど学校で習ってない。
「吐き気」=「nausea」、「発熱」=「attack of fever」などの症状を表す単語、具合が悪いときにすんなり出てくるだろうか。「みぞおち」=「epigastrium」、「太もも」=「thigh」、「膀胱」=「bladder」……、どこが痛いか説明できない。お医者さんに「注射」=「injection」や「入院」=「hospitalization」と言われても、何のことやらお手上げだ。
意外な落とし穴となるのが、“カタカナ語”だ。カタカナ=英語と思い込んでいる人も多いが、実際は日本人が間違えて使っているケースが非常に多いのだという。たとえば「イメージアップ」や「コストダウン」は日本人が「英語風に作った言葉」なので、通じない。また「ウィルス」や「ビタミン」は実際の英語の発音とまったく違うため、通じにくい。「クレーム」や「カンニング」は英語では異なる意味のため、「アンケート」「ノルマ」「アルバイト」などは語源が英語でないため、全く通じないから要注意だ。
いかがだっただろうか。ますます自信を失ってしまわれただろうか。英語に対して苦手意識を持つ人は多いが、それは“使わない英語”を無理やり覚えているからかもしれない。“使える英語”より“英文読解に特化した受験英語”に偏った英語教育が、このアンバランスさを生んでいる。
ちなみに冒頭の「足し算」は「addition」、「わきの下」は「armpit」、「ソフトクリーム」は「soft-serve ice cream」だ。
(島原らん)
最終更新:2018.10.18 05:39