「主犯は兄貴ですが、そこにいた人は僕も含めてみんな共犯ですから」「チャトランが死んだんです…。事故のような…、いや殺してしまったといってもいいです…」「動物愛護の面からも、物作りの人間としても、風上にもおけないことをしてしまった」(「女性自身」)
「女性自身」では弟の告発を受け、同年10月20日号で、複数の映画スタッフ、元王国スタッフに話を聞いているのだが、それを裏付けるような証言がいくつも飛び出している。
「あるシーンでチャトランに麻酔をして撮りましたが、投与する量を間違えたのか結局、麻酔から覚めずに死んでしまったと聞きました」「映画に使ったチャトランの数は1匹だけではなく、20匹いましたら、そのなかの1匹が交通事故にあって死んでしまったんです」「(チャトランが高い崖から落ちるシーンは)王国のスタッフが(ガケを)登って猫を放り投げていました」
さらに、同号には、動物好きの人間が聞いたら耳をふさいでしまいたくなるようなコメントも載っている。
「猫に涙を流させるシーンで猫の頭を開いて、直接、涙腺を刺激しようと提案したのもムツゴロウさんだったはずです」「お腹を空かせたチャトランが豚のミルクをもらい、お腹いっぱいになった子猫の様子を撮影するとき、お腹を開いて手術をして、胃に風船を入れようということもムツゴロウさんが言っていました」「2匹並んだ子ブタの上をチャトランが飛び越えるたった数秒のシーンのために、ムツさんの指示で生まれてすぐの二匹の子豚の横腹の皮膚を縫い合わせて固定したこともあります」
なんとも衝撃的な証言ばかりだが、こうした記事に対してムツゴロウさんは当時、「女性自身」のライバル誌「女性セブン」で完全否定している。15年以上前の話なので、真偽はわからないが、少なくともムツゴロウさんがただの「動物好きのおじいさん」でなかったことは事実のようだ。ギャンブル好きで、女性にまつわるエピソードも多く、2004年には動物ビジネス拡大への色気を見せて「東京ムツゴロウ動物王国」を開園するも、ほどなく閉園。スタッフへの給与支払い遅延問題も引き起こしている。
ムツゴロウさんが再ブレイクしたのは喜ばしいし、東京でのマンション暮らしや64歳年下の女優のCM共演というのは、ムツゴロウさんにとっても、これまで以上に楽しい日々かもしれない。だが、過去の騒動や報道をふりかえってみると、今なお“癒し”キャラというのは、ちょっとちがう気がするのだが……。
(林グンマ)
最終更新:2017.12.07 07:28