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鈴木明子、ベッカム「摂食障害」「強迫性障害」に悩むアスリート

『トップアスリート 天使と悪魔の心理学』(東邦出版)

 3月末に現役引退したフィギュアスケーターの鈴木明子。彼女が『私の何がイケないの?』(TBS)で摂食障害に苦しんだ過去を語り話題を呼んだが、「婦人公論」6/22号(中央公論新社)のインタビューでも、そのときの苦しみに言及している。

 鈴木によれば、摂食障害になったのは東北福祉大学に進学し一人暮らしを始めた直後。女性のフィギュアスケート選手は思春期に体型変化で苦しむことが多いが、鈴木の場合は母親がしっかりと食事管理を行っていた。だからこそ、「実家から離れたからダメになった」と思われたくなくて、だんだんと食事がとれなくなっていったという。その結果、1カ月半で10キロも体重が落ち、「最終的には32キロ」にまで減少。身長161センチの鈴木は「まるで幽霊のようにガリガリだったのです」と振り返っている。

「生活のすべてを完璧にコントロールしなければ」──鈴木のこの言葉にも表れているように、一般人以上にアスリートにはさまざまな重荷がのしかかる。そうした心理状態の危うさを指摘しているのが、『トップアスリート 天使と悪魔の心理学』(ポール・ゴーガティ、イアン・ウィリアムソン著、影山みほ翻訳/東邦出版)だ。

 たとえば、イングランドを代表する元サッカー選手デイビッド・ベッカムは、2006年に強迫性障害であることをカミングアウト。「ペプシの缶を冷蔵庫に入れるけど、1本余計にあると別の棚に入れる」と語り、妻であるビクトリアも「ダイエット・コークが3本あったら、1本は捨ててしまうの。(中略)偶数じゃなきゃ、いけないのよ」と話している。

 同じイングランドで、強迫性障害である元ラグビー選手ジョニー・ウィルキンソンの場合は、さらに壮絶だ。スタープレイヤーであり、映画スターのようなルックスだったウィルキンソンは絶大な人気を誇ったが、派手な格好をすることも自惚れることもなかった。彼の1日は、まず「卵の白身を8個分」を食べ、その後は“体が自分に対して悲鳴をあげ、このままだと病気になると感じる”までキックの練習を続ける。そしてチキン・フィレ13個を食し、夜は静かに眠るだけ。──謙虚で禁欲的で、監督がボールを彼の前では隠していたというエピソードがあるほど、異常なまでのトレーニングを自分に課すのだ。

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