さらに興味深いのは、応援するクラブこそ「底辺」だが、彼ら自身の実生活はリア充、ボトムズどころか「トップス」に近いということだろう。彼らによると、「弱いクラブを応援するという、ストレスが溜まり金だけ出て行く趣味を続けるには、実生活が充実していないと精神的に難しい」(スレッドより要約)らしい。
クラブのために身銭を惜しまない(しかも小金も持っている)ボトムズサポーターたちをターゲットに、去年11月にはサッカー専門誌「週刊サッカーマガジン」(ベースボール・マガジン社)は「月刊J2マガジン」を創刊。Jリーグも『J2白書』(J’s GOAL J2ライター班/東邦出版)という公式本を毎年、出版している。
弱さを受け入れ、それを楽しむ術を身につけたボトムズサポーターたち。それに比べて日本代表ファンのなんという了見の狭いことか。W杯レベルでは、日本代表なんてそれこそボトムズかどうかのボーダーライン。それなのに、「優勝」などという過剰な期待を抱いて、負ければ負けたで選手や監督を口汚く罵る。そういう自己投影型のにわかサッカーファンにはぜひ、彼らのサッカーの愉しみ方を学んでいただきたい。
(西本公広)
最終更新:2014.07.02 09:37