「玉川徹は万博出禁」発言の反省なし!大阪万博の問題点を追及する共産党に現地視察させず
しかも、「きちんと自然換気すれば対応できる」だの「朝の確認では0だった」だのという発言には呆れるほかない。
というのも、万博協会は昨年3月の爆発事故を受けて、換気設備やガス検知器の設置、ガス濃度の計測結果の定期公表、ガスの滞留を防ぐためマンホールや地下ピットの蓋を穴あきタイプに変更するなど、再発防止策に36億円もの予算を計上。万博協会の藁田氏も「フルスペックの対策で、万全を期した形で開催できる」と豪語していた。
ところが、今回、爆発下限界を超えるメタンガスが検出された場所は、なんと爆発事故が起こった場所のすぐ近く。36億円もかけて再発防止策を講じたというのに、爆発事故が起こった近辺でさえ、いまだに危険極まりない状態にあることが判明したのだ。
ようするに、この期に及んで吉村知事が「きちんと自然換気すれば対応できる」「朝の確認では0だった」と言っていること自体、再発防止策が機能していないことの証左なのだ。
現に、万博協会は今月3日にも今年1〜3月のガス濃度測定結果を公表し、屋外の電気・通信設備等の地下ピットや交通ターミナルで基準値以上のメタンガスを検知したことを明らかにしながらも〈測定値は、基準値未満となっていることを確認できましたので、安全に会場をご利用いただけます〉としていた。いったい何をもって「安全」だとしたのか、万博協会の無責任さがあらわになったといえるだろう。
しかも、今回、爆発下限界を超えるメタンガスを検知したのも、万博協会ではなく、6日のテストランに参加していた元消防士である日本共産党の寺本健太・守口市議だった。寺本市議によると、持参した検知器で計測した結果、基準値を超えたために119番通報。同日、万博協会も基準値を超えるメタンガスを検知したと公表したのだ。
ちなみに、これまで共産党の議員は大阪万博の問題を追及してきたが、爆発事故以後、万博協会は共産党を“排除”してきたという。実際、共産党の辰巳孝太郎・衆院議員は昨年11月13日、〈他党には認めても共産党などには夢洲現地視察をさせない対応が続いてきました〉とし、経産省に対して〈改めて議員団視察を強く申し入れ〉たことをSNSで報告。同月22日には共産党議員の視察が実現したが、辰巳議員は〈3月にガス爆発事故が起き、今でも1日25mプール9つ分のメタンガスが噴出し続ける夢洲1区への視察は頑なに拒否されました〉と投稿。今回、メタンガスの危険を明らかにした寺本市議は、守口市議に割り当てられたテストラン参加枠が割り振られた結果、入場できたのだという。
万博問題を追及してきた「しんぶん赤旗」についても同様だ。9日には国内外のメディアを招待した内覧会「メディアデー」が開かれ、国内外のメディア関係者約4500人が参加したが、万博協会は赤旗を“排除”。関西の赤旗記者によるSNSアカウントは〈「赤旗」は愛知万博でも協会から記者証が発行され、政府官庁・自治体でも他メディアと差別なき対応を受けており、今回の取材拒否は異常です〉と投稿している。
吉村知事による「玉川徹は出禁」発言が象徴的なように、万博に批判的なジャーナリストやメディア、議員は排除しようという姿勢には不信感しか生まれないが、そうやって排除されてきた議員が今回、万博の危険性を白日の下に晒したというわけだ。