繰り返されるトカゲの尻尾切り! 自民党裏金問題、大阪・関西万博をめぐる数々の疑惑もうやむやにするな
高橋被告の証言で改めて浮き彫りになった森元会長、安倍元首相、菅前首相の関与。しかし、同時に思い知らされたのが、この国で大物政治家や国家的事業の不正を追及することの難しさだ。
濃厚な疑惑が浮上しているのに、弱腰なマスコミはほとんど報道ができず、権力に忖度する検察はトカゲの尻尾きりでお茶を濁す。その結果、疑惑の本丸は放置され、不正はうやむやになって、いつのまにか立ち消えてしまう。今回のように、少し後になって、当事者が裏付け証言をしたところで、もはや「後の祭り」でしかない。
このままいけば、自民党の裏金問題や大阪・関西万博でも同じようなことが繰り返されるだろう。
たとえば、大阪万博をめぐっては、吉村洋文・大阪府知事の政治資金パーティ券を高額購入していた大和ハウス工業が、万博事業を受注。さらに、万博会場兼カジノ用地である夢洲は、大阪府・市の特別顧問であり“菅前首相の懐刀”と呼ばれた和泉洋人・元首相補佐官が開発を取り仕切っているが、松井一郎・前大阪市長が和泉氏を特別顧問に選任するよう指示した同時期に、和泉氏は大和ハウスをはじめ、少なくとも9社の大手住宅メーカーや建設、不動産関連の有名企業に月100万円のアドバイザリー契約を持ちかけていたと「週刊現代」(講談社)が報道している。そればかりか、カジノ用地賃料が大幅値引きされた鑑定をめぐる談合疑惑や公文書隠蔽など、さまざまな疑惑が渦巻いている。
しかし、これらをきちんと追及しているのはごく一部のメディアやネットのみ。大阪万博が東京五輪の二の舞にならないためにも、新聞・テレビは自らの使命をいま一度、再認識すべきだろう。
(編集部)
最終更新:2024.02.10 06:44