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「モーニングショー」や「報ステ」も…台湾有事シミュレーションを垂れ流し、岸田首相の戦争協力約束を賞賛する大政翼賛会ぶり

台湾有事を煽り日本を対中対決に組み込もうとする CSIS報告書を検証なく垂れ流すメディアの罪

 じつは、米国の外交専門家の間では、中国がすぐに台湾に侵攻し、米中戦争が起きるとする意見はけっして主流ではない。

 つい最近、国際的な危機分析をする米の調査会社ユーラシア・グループが、2023年の国際政治における「10大リスク」を公表したが、台湾有事については、米中両国が相互に経済依存関係を深めていることを理由に、ランク外の「リスクもどき」に分類していた。

 にもかかわらず、なぜ、こんな報告書が出たのか。それはこの報告書を出したのが、あのCSISであることと大いに関係があるのではないか。

 CSISは、アメリカの政財界の意向を受けて日本をコントロールする“任務”を帯びた知日派「ジャパンハンドラー」の巣窟と言われてきた民間シンクタンクであり、日本政府はCSIS に対し、安倍政権下の2013年度からの6年間、なんと2億9900万円もの寄付をおこなっていたことも判明している。さらに日本政府は巨額の寄付だけではなく、CSISに客員研究員として人員を送り込んでおり、これまでもCSISのレポートにはジャパンハンドラーたちと日本側の意向が盛り込まれているのではないかと指摘されてきた。

 しかも、この報告書が公表されたのは、まさに日米首脳会談の直前だった。

 ようするに、日本が米中対立に協力し、米国の兵器を大量購入できるように日本国内の世論を形成するため、米国ジャパンハンドラーとポチ体質の日本政府が連動して、仕掛けた報告書なのではないか。実際、この報告書を取り上げた東京新聞(18日付)も〈日本を対中対決に組み込む意図が働いているのでは、との見方も出ている〉と指摘していた。

 さらに言えば、この報告書は、日本を台湾防衛の「要」であることを強調しているだけでなく、〈日本の基地で航空機を攻撃から守るため、強靱性を高めることが必要〉〈有事に備え、日本の民間飛行場の利用を確実にすることも必要〉(朝日新聞12日付)と提言するなど、直接的な日本の戦争参加までを主張する内容が盛り込まれている。『モーニングショー』や『報ステ』がこの報告書を紹介した際、防衛省の研究機関である防衛研究所の高橋杉雄氏が出演し、「(ウクライナのような)民間人の被害者はおそらく出ない」などと解説していたが、民間飛行場が利用されるようなことになれば、とんでもない民間の被害が出るのは想像に難くないだろう。

「日米同盟の強化・深化」が意味する問題を伝えず、対中対決に日本を巻き込み「戦争ができる国」へと変えていこうとする思惑が透けて見える報告書を検証もなくメディアが垂れ流し、台湾有事に巻き込まれることは地政学的に自明なのだと視聴者に刷り込む──。一方、今回の日米首脳会談にかんする報道のなかで、アメリカと一体化することの危険性や外交努力がおろそかにされていることなどの問題点を指摘したのは、『サンデーモーニング』(TBS)の青木理氏と『サンデーステーション』(テレ朝)の柳澤秀夫氏くらい。『モーニングショー』も、もし玉川徹氏が出演していれば、このような内容にはなっていなかっただろう。

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